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Ａ−１０という航空機


このところ、テクノロジーネタで気を引く話に乏しく、あまり興味のないミリタリーネタを漁っていると、ときどき出てくる気になる飛行機がある。

Ｆ−３５とか、そういう最新鋭機なら、何か書いてみようかという気にもなるんだが、４０年前の飛行機で、スピードも出ないし、格好も良くないし、制空権が取れていない所では、ボロボロ落とされるという、ロクでもないのがある。

（退役が伸ばされ続けた攻撃機 A-10）
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「40年前から続くアナログな設計とジェット機ながら鈍足、誘導兵器の扱いは苦手という欠点、固定武装の30mm機関砲など、一部のマニア心をくすぐるような特徴があるからなのか、一部にカルト的な人気を誇っています。」

なんだ、マニアネタかあ・・・。

「1960年代のベトナム戦争では核兵器を使うような状態にはならず、空軍が副次的任務だと考えていた近接航空支援こそが主の任務となった」

運用思想がハッキリしていて、それに特化したハードウェアを作ったわけだから、ツボにハマれば遺憾なく性能を発揮する。

「A-10の特徴は「近接航空支援に特化した機体」であることです。」

「低速での運動性の高さと防御性能、そして「とにかく沢山武装が積めること」を重視した設計になっており、中でも耐久性は特筆するレベル」

まあ、いろいろ異論もあるようだが、１９９１年の第一次湾岸戦争の際に、大きな戦果を挙げたことがきっかけで評価が高まったようだ。

「湾岸戦争では作戦に参加した機体のうちおよそ半数に当たる70機が被弾したものの、撃墜されたものは6機」

「384箇所もの破孔をあけながらも生還、数日後には修理が完了し作戦に復帰した機体」

近代化改修を加え、誘導弾なども使用できるようになり、また、夜間戦闘も可能になった。

今年の初めころには、運用期間の無期限延期が決まっている。

Ｆ−３５は、後継機としての役割が課せられていたようだが、専用設計の強みには勝てなかったらしい。

（「不死身の攻撃機」A-10　繰り返される再評価　今回もイスラム国で）
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「2016年1月、A-10を2021年までに全機退役させる計画が見直され、無期限にその退役を延期する見込みであることが報道されました。」

無期限延期ということは、いつまでもだらだらと延期することではなく、新たな期限が設定されれば、退役はあり得る。

Ｂ−５２だって、延々と飛び続けているわけだしな。

このことは、米国が直面している戦場が、Ａ−１０に向いているということが主因だ。

もともと、ソ連の戦車を撃破することを目的として開発されたわけで、制空権は取っていて、大した対空兵器のない戦場での陸上攻撃支援ということになる。

陸軍にしてみれば、頼りになる相棒ということだな。

対テロ戦争とか、そんな非正規戦みたいなことばっかやってる米軍としては、手放せない航空機ということになる。

（米空軍A-10、退役計画が廃案に　飛び続ける姿はしかし、「アメリカの苦悩」を象徴？）
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「テロを根絶できずに苦悩するアメリカを象徴」

まあ、そういえないこともないか。

この航空機は、いびつな兵器だ。

対空性能はゼロに等しいので、敵の戦闘機に対抗することはできない。

地上の、ショボい兵器を相手に、上空からマシンガンぶっ放したり、爆弾やミサイル落としたりするだけの能しかない。

米軍のアットーテキな制空能力を前提にして、制空権が確保されている地域限定の兵器だ。

それも、地上攻撃限定。

艦船とかには、多分対抗できない。