〓原発事故と人間の尺度
2022-08-15


原発事故と人間の尺度


(原発「13兆」の警告――人間の尺度を超えるな)
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「原子力は人間の「物差し」で測れない怪物」

「福島第一原発事故級の原子力災害では、その後始末のために数十年がかりの大事業」

ここでは、核廃棄物の保管管理という10万年掛かりの「大事業」には触れられていない(とりあえず、原子力災害限定ということでいいとしよう)。

「「被災者に対する損害賠償」が莫大なのは、空間尺度が大きいから」

これから、処理水を環境に放出すれば、海洋汚染は全世界に及ぶ。

既に大気中には膨大な放射性物質がばら撒かれて、一部は我々の体内にも取り込まれている。

「賠償、廃炉、除染のすべてを含む事故処理費は最終的に約21兆5000億円に達する」

「原子力は、いったん不測の事故に見舞われたときの被害の大きさからみて、人間社会とは相いれない技術」

「人類に馴染みのなかった異次元の技術に頼るのだとしたら向こう見ずに過ぎる。」

数十年の時間の中での20兆円というのが多額であるかどうか、核力を利用する原発が、人間の尺度を越えているかどうかについては、いささか疑問も感じる。

人類が火の使用を始めてから数十万年がたっていると思われるが、その間に火災や戦争で焼失した資産や人命は計り知れないだろう(今も、ウクライナ方面ではドンパチやってますが)。

しかし、我々は火の使用(電磁気力だそうですが)を身につけ、飼い慣らし、日常生活の中で便利に使っている。

原子力発電所だって、そのうち近所の風呂屋で扱えるような簡便な技術になってくるに違いない。

余熱で風呂も沸かせて便利だ(そううことかあ?)。

もう一つの例を挙げよう。

自動車は、100年余り前に登場し、現代文明になくてはならない技術になっているが、その一方で交通事故による死者は絶えない。

WHOによれば、毎年130万人余りが死亡しているという。

我が国の自賠責保険では、3千万円の補償金が設定されているから、全世界での毎年の損失額は、39兆円に及ぶ。

あれま!、自動車はその利便性と引き換えに、毎年超大規模な原発事故を起こしている勘定になる。

おまけに、二酸化炭素出しまくりだしな。

まあいい。

もちろん、巨大技術は、事故が起こればその影響も大きいから、社会的関心が高いのは当然だ。

列車事故、航空機事故、船舶事故も同じだ。

原子力が、何か特別な技術なわけじゃない。

我々が、まだ使いこなせていないだけの話かもしれないのだ。

100万年後の人類は、スマホか何かのように、ポケットから原子力を利用したアイテムを取り出して、日常生活に活用しているに違いないのだ(うーん、100万年後に人類がいるかどうかの方が心配だな・・・)。

放射性廃棄物の問題にしたって、半減期が長い核種に放射線をテキトーに浴びせて短くするとか、いっそ、加速器で重粒子叩きつけて崩壊させるとかいう技術が実用化されるかもしれない(未確認)。

が、しかし、まあ、少なくとも21世紀初頭の人類は、原子力を中途半端に活用しようとしていることは確かだ。

賛否が分かれるのは当然だ。

浮沈子は、誤解を恐れずに言えば、核兵器についても似たような感覚でいる。

そりゃあ、ドデカい水爆を爆発させて、都市一つ地上から消し去るような話は願い下げだが、破壊力を制御した戦術核の使用は現実の問題だと考えている。

(佐藤優「アメリカのウクライナへの支援が"ロシアを叩きのめさない程度"に抑えられているワケ」
これは「アメリカに管理された戦争」である)
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