政治家の使命
2012-09-10


政治家の使命


特に国会議員たるもの、単に自分を選出してくれた選挙民のことだけではなく、国家、国民のために仕事をすることが当然のことだと思ってきた。

そうなんだろうか?。

やはり、次の選挙でも当選したいと考えるんじゃないだろうか。結婚式や葬式やお祭りや敬老会や、人が集まるところはどこへでも行って、顔と名前と金を配り(いやいや、大っぴらにはできませんよ・・・)、握手をし、笑顔を見せ、それでも足りないからと、今度は金を集めるパーティーを開き、役人を脅して利益誘導を行い、地元や企業に有利な政策を立案させては、さらに票固めをする。

ライバルがいれば、ありとあらゆる手段を使って足を引っ張る。スキャンダルを暴き、地盤を食い荒らし、顔の見える狭い世界で、えげつない切り崩しを行う。もちろん、合法的に行われる行為ばかりでないことは、誰もが知っている。

人間の縄張り意識、闘争本能、支配欲、権力欲、金欲、などなど、動物の荒々しさむき出しの強欲の世界だ。

自らの地盤が固まれば、派閥のボスの座を巡る権力闘争が待っている。利権に群がるハイエナどもから巻き上げた金と、割り当てられた権力の座を餌にして自らを祭り上げる集団を作る。

そうして、時が来るのを待つ。来なければ来させる。造反、分裂、揺さぶり、離合集散は当たり前、敵の敵は味方だが、昨日の友は今日の敵、権謀術数を駆使して、数の論理にものを言わせる。

そりゃあ、表向きは、国民の生活と幸福を守るとか言うさ。

しかし、そんな言葉を真に受けて信じている国民はいない。裏で何やってるか分からないぞ、でも、黒い猫でも白い猫でもネズミを獲ってくる猫が良い猫なわけだ。どこの政党を名乗っていても、そんなことは関係ない。自分たちの生活を豊かにして、ささやかな日常の幸せを満たしてくれるなら、他国に兵器を売ろうが、人権を無視しようが、放射能を世界中にばら撒こうが、資源を収奪しようが、二酸化炭素を撒き散らそうが、そんな雲の上の話はどうだっていいんだ。

こぎれいな服を着て、小さな家に住み、美味しいものを食べ、楽しい毎日を暮らしていければいい。

貧困や戦禍や災害や搾取や虐待や差別や、ありとあらゆる不条理が目と鼻の先にあっても、ベンツに乗れたり、ポルシェに乗れたり、CCRでダイビングできたり、サイゼリヤで食事ができたり、吉野家の牛丼が食えたり、糖尿病になったり、高血圧になったり、睡眠時無呼吸症候群になったりするほうがいいに決まっている(・・・)。

そうした小市民の私利私欲を満たすために、政治はある。

世界の先進国といわれる国々は、皆疲弊して莫大な財政赤字を抱えている。そしてそれらを含めた殆どの国々は、他国の金を当てにしたり、未来の国民に押し付けたり、霞を食ったり、草の根を食んだりして生き延びている。70億の人口の半数は、事実上貨幣経済の統計にすら上がってこない。その中の10億人は栄養失調(日本では、殆ど死語)による飢餓状態にある。

(絶対的貧困)
[URL]

政治家の使命とは、何か。

甘言を弄さず、現実を直視し、時に痛みや苦しみを強要し、貧しくとも清く正しく美しく生きよ、と民を諭し、自ら率先して実行することである。選挙民の欲望を代弁し、利益誘導に汲々とすることではない。

ああ、この人の後に付いていけば間違いない、悔いのない一生を過ごせる、と信じられるような、そんな人物でなければ政治家になってはいけないし、政治家にしてはいけない。

センセイなどと煽てられていい気になって、BMW買いたいなんて、バカ言ってんじゃねえよ!(ベンツならいい、ってもんじゃないけど)。


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[ノンセクション]

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