2012-09-19
安全なダイビング
道を歩いている時も、あなたは安全ではない。自動車に轢かれるかもしれないし、建設中のビルの上から何かが落ちてくるかもしれない。
足元の石に躓いたり、暴漢に襲われるかもしれない。
竜巻に巻き込まれたり、向こうからやってくる自転車とぶつかる恐れもある。
かたときも、油断できない。
自動車を運転している時、あなたは交通事故にあうかもしれない。昨日、伊豆からの帰りの東名で、近くを走っていたトラックのタイヤがバーストして3車線に渡って飛び散った(けっこう、ドハデでした)。
破片のひとつが、私が運転していた車(500E)の正面に飛んできて、間一髪、ハンドル操作でかわした。時速100km以上で走行中の出来事である。
飛行機や列車などの公共交通機関に乗っているときでも、安心はできない。
関越自動車道路でのバス事故は、記憶に新しいところだ。
飛行機事故が起こらない年など、きっと1年も無いに違いない。毎年、どこかで事故は起こっている。
戦場にいるときも、ジャングルにいるときも、アフリカの草原にいるときも、世界のどこにいても、あなたは安全ではない。
しかし、これらの全ての場合において、確実にいえることがある。
あなたは、呼吸することだけはできる。つまり空気を吸うことができる。そして息をしている限り、直ちに死ぬことはない。ある確立で死ぬことはあるだろうが、100パーセントの確立で死ぬことはない。
その証拠に、あなたは、今、生きていてこのブログを読んでいる。ありとあらゆる危険をかいくぐり、生き延びてきたわけだ。
素晴らしい!。
そして、あなたはダイビングに興味を持つ(話の綾です・・・)。
スクーバダイビングである。空から飛び降りるやつではない。
圧縮された空気を詰め込んだタンクを背負って、水中眼鏡を着け、マウスピースを咥えて、細いホースから送られてくる空気を吸う。
不思議だ!、水中なのに息ができる!!。
深さにもよるが、30分とか、長い人では1時間くらい、そうして潜っていられる。魚が泳いでいたり、ヒトデが這っていたり、イソギンチャクが揺れていたりする。
感動だ!、スゴイ!!、これが水中の世界、沈黙の世界なんだと、驚くこと間違いない(保障します!)。
しかし、もう一つ、間違いないことがある。
あなたが、今、咥えているマウスピースを口から離し、周りにたっぷりある水を吸い込んだら、たちまち死んでしまうだろう(これも、保障します!!)。
水中は、私たち人間の住む世界ではないのだ。
どんなにトレーニングを積み、どんなに技術を身につけ、どんなに体を鍛えても、私たちは、魚のように水中で生活することはできない。
ダイバーになるということは、水中で死ぬか、潜れなくなって陸に上がるか、2つに一つであると聞いたことがある(正確には3つで、「トレーニングを続けるか」というのがある)。
危険を承知で潜る。
仕事で潜る人もいるが、レジャーで潜る人は、いつ死ぬかもしれない危険な遊びをしているという自覚が必要だ。死亡遊戯だなあ(古っ!)。
水中を気ままに泳ぎまわるというのは、実に結構な趣味なのだが、日常性からかけ離れた環境は、相応の危険が伴う。少しでも安全なダイビングを行うために、様々な工夫をする。
水中眼鏡を着けたり、ウエットスーツで体を保護、保温したり、浮力の調節をするために、BCを着たり、足ひれをつけて泳ぎやすくしたりする。
水中で吸うガスも、タダの空気(値段もタダ!)だけではなく、酸素を多くしたり(少なくしたりもしますが)、ヘリウムを混ぜたりする。
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