衛星ひとみのその後
なんか、余りにショボくて、なかなか書く気が起きない話になった。
浮沈子は、当初からNASA陰謀説(?)を唱えていたのだが、もちろん、そんなことは全然なくて、ただ単に、機器の故障で自己回転を始め、それに対応するはずの緊急時のプログラムのミスによって、回復不可能な高速回転に移行して、部品がちぎれ飛んだというお粗末な推定になっている。
JAXAが推定したメカニズムの詳細はさらに複雑なのだが、浮沈子に理解できたのは、NASAのせいでも、ユアサのせいでも、三菱系の会社のせいでもなく、やっぱ、衛星本体を作ったNECが悪いということが分かったことだけ。
恒星を観測して位置決めをする装置が、まず故障したらしいのだが、まあ、そういうことは有り得る話だ。
この恒星観測装置も、確か二重化されていたのに、なぜ、その冗長性が生かされなかったのかは不明だ(そういう仕様になっていないだけかも)。
そして、その故障に対応する緊急モードに至る過程で、送信したプログラムの中のパラメータ(条件)が誤っていたために、どんどん回転速度が上がって、遠心力で衛星の弱いところから分解してしまったということになっている。
(X線天文衛星「ひとみ」(ASTRO-H)の状況について)
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このプレス発表は、極めて分かり辛いので、各社が解説記事を載せている。
(X線天文衛星「ひとみ」、浮かび上がった3つの問題点)
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スタートラッカの冗長性が生かされなかった点について、疑問を投げかけている。
(X線天文衛星「ひとみ」に何が起きたのか、ここまでの現状をまとめる)
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(X線天文衛星「ひとみ」に何が起きたのか)
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「バッテリーが一度空になってしまうと、地上からコマンドを送らないと、再充電しない仕様なので、太陽電池に日光が当たっている間だけひとみは意識を取り戻すことになります。太陽電池に日光が当たっている姿勢で基地局上空を通過する時が、交信のチャンスです。」
まあ、そういう状況に期待するしかないということだな。
「しかし危機に陥った衛星を救う技術には世界的な定評のあるJAXAです。これまで、通信を絶ち絶望視された衛星や探査機を、しばしば何年もの時間をかけて、復活させてきました。」
どこまで期待したらいいのかが良く分からないのだが、そもそも衛星を危機に陥らないようにするのが本来の技術なんじゃないのかと、健全な浮沈子などは首を傾げてしまうんだがな。
裏技で定評をとっても、仕方ないというか、それだけ通信途絶とか絶望視されることが多いということでもあるわけだしな。
高度な観測装置が宣伝されてきた中で、肝心のベースになる衛星制御技術に欠陥やミスがあったわけで、今後、その対策をどうするかという点から、検討が進められていくんだろう。
(文部科学省、X線天文衛星「ひとみ」の異常要因分析を検証する小委員会を設置)
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「専門技術的観点から第三者により、JAXAが実施した要因分析の結果について、内容の技術的妥当性を検証する必要があると判断」
スポンサーである文科省でさえ、JAXAの説明がチンプンカンプンというわけだ(そうなのかあ?)。
それとも、やっぱ、NASAの陰謀なんだろうか?。
デュワーの中にあるヘリウムガスが勢いよく噴出した程度では、2.7トンの衛星を毎秒3回転もさせるエネルギーはないと説明されているが、それって、本当なんだろうか?。
まあ、どうでもいいんですが。
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