地中海至上主義
2017-01-15


地中海至上主義


地磁気逆転という、今では小学生でも知っている現象は、地質学的に確認され、その概念を提唱した松山基範(まつやま もとのり)の名前を取って、最終逆転境界はブルンー松山境界と呼ばれている。

(シリーズ「南極・北極研究の最前線」 第7回)
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浮沈子的には、まだ良く分からない気分なのだが、この時期が正確にはいつなのかについて、若干の議論があるようだな。

「本研究の特に画期的な点は,ブルン-松山境界に非常に近い火山灰層に注目したこと,新たに超高分解能で地層の古地磁気を測定したこと,および火山灰中のジルコン粒を一つずつ大量に測定したことで,これらの全ての面で既存の研究を上回る精度で地磁気逆転の年代を決めたことが今回の成果に繋がった」

この火山灰層を含む地層というのが、今話題の「千葉セクション」ということになる。

(チバニアン!?)
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以前、このブログでも取り上げている。

どうやら、決定時期は来年にずれ込みそうなもようだ。

(磁気逆転の77万〜12万年前の年代命名で日伊がバトル 「チバニアン」に暗雲 地質年代の命名争い年内にも決着へ)
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「イタリアは地中海のイオニア海に由来する「イオニアン」の名称を提案するが、地磁気のデータがどう評価されるかは不透明で、勝敗はもつれそうだ。国際地質科学連合への申請期限は5月末。数カ月後に最有力候補地が選ばれ、来年にも正式決定する見通しだ。」

「恐竜が絶滅した6600万年前以降の年代名は、大半が地中海沿岸の地名に由来する。日本チームを率いる岡田誠茨城大教授(古地磁気学)は「日本の名前を地球の歴史に刻み、地中海至上主義のような状況を変えたい」と話している。」

以前の記事から、6600万年以降の年代名をピックアップしてみよう。

「Stage:Numerical Age (Ma):GSSP Location(国名等):批准年(初回)
Cenozoic Era(新生代):
Quaternary System(第四紀):
・Holocene Series(完新世):
Holocene Stage:0.011784:Greenland:2008
Pleistocene Series(更新世):
・チバニアン?:0.77?:日本:(提案中)
(Ionian Stage:0.781:Italy:(提案中))
・Calabrian Stage:1.80:Italy:1985
・Gelasian Stage:2.58:Italy:1996」

グリーンランド(デンマーク?)1、イタリア2(提案中1)、日本1(うち提案中1)

「Neogene System(新第三紀):
Pliocene Series(鮮新世):
・Piacenzian Stage:3.6:Italy:1997
・Zanclean Stage:5.333:Italy:2000
Miocene Series(中新世):
・Messinian Stage:7.246:Morocco:2000
・Tortonian Stage:11.63:Italy:2003
・Serravallian Stage:13.82:Malta:2007
・Aquitanian Stage:23.03:Italy:1996」

モロッコ1、マルタ1、イタリア4

「Paleogene System(古第三紀):
Oligocene Series(漸新世):
・Rupelian Stage:33.9:Italy:1992
Eocene Series(始新世):
・Lutetian Stage:47.8:Spain:2011
・Ypresian Stage:56.0:Egypt:2003
Paleocene Series(暁新世):
・Thanetian Stage:59.2:Spain:2008
・Selandian Stage:61.6:Spain:2008
・Danian Stage:66.0:Tunisia:1991」

イタリア1、スペイン3、エジプト1、チュニジア1

言われてみれば、確かに地中海周辺が多い。

16年代中、14年代が地中海諸国だ(違うのは、グリーンランドと、今回日本が提案中の案件だけ)。

まあ、モロッコはビミョーだけどな。

地質学の研究の厚みが違うんだろう。

浮沈子とかは、別にどこでも、学術的に有用なら構わないと思っている。

変なご当地主義が入り込まないように、しっかりと議論してもらいたいものだ。


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[ノンセクション]

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