再使用ロケットの復活
巷では、ファルコン9の再使用ロケット打ち上げについて、スペースシャトルの話と絡めている記事は少ない。
固体燃料ロケットとの組み合わせ、燃料タンクを再使用できなかったこと、最後まで解決できなかった断熱タイルの損傷など、先のない宇宙機になってしまった。
何より、コスト的に使い捨てよりも高くつくという、あってはならないギャグ(?)が、決定的だったな。
なんで、使い捨ての方が安いのかを、分かりやすく説明することは出来なかった。
その後、使い捨てに切り替えてデルタ4やアトラス5を無人機として作り、一定の成功を収めた。
一方、有人機の方は紆余曲折を経て、SLSが飛ぼうとしている。
金のかかるロケットで、再使用していたスペースシャトルの部品を使い捨てにするという、正気の沙汰とは思えない方法をとる。
実績のある部品を使うとはいえ、最適化とは程遠い。
まあな、お役所の仕事だしな。
過去の成功体験に囚われやすく、(自分の)失敗を極度に恐れる体質だからな。
もちろん、自分の出世に繋がる他人の失敗は大歓迎だ(そうなのかあ?)。
まあいい。
とにかく、スペースシャトルは14人の犠牲者と共に夢と消えた。
再使用ロケットなんて、こりごりだ・・・。
固体燃料ロケットを使い続けたこと、断熱タイルの損傷を、根本的に解決できなかったこと、高コスト体質、完全再使用ではなかったこと。
やっぱ、ロケットは、使い捨てにするしかないんだ・・・。
その諦めにも似た絶望感、限界、閉塞、挫折、断念、失望、エトセエトセを、ファルコン9はぶち破ろうとしている。
もちろん、弾道ロケットでは既にスペースシップ1やニューシェパードが実現しているが、衛星打ち上げロケットでは久しぶりとなる。
部分的再使用に留まるとはいえ、コスト削減が期待できるというから嬉しい話だ。
民間企業でなければ、取り組むことは困難だったかもしれない。
動機がないしな。
コストを削減しても、収益の増大に繋がらなければ意味はない。
需要が一定ならば、コスト削減イコール売り上げの減少イコール市場の衰退だしな。
衛星を少しでも安く打ち上げたいという需要が出てくれば、競争に打ち勝つためにコストを削減しようという動機が生まれる。
メディアも、いくつか取り上げている。
(甦る再使用の夢 - スペースXが挑む「成功が約束されたロケット」の打ち上げ)
[URL]
「「スペースX」は、自信と自負を込めて、このロケットを単なる「再使用ロケット」ではなく、一度宇宙へ飛んだことで「成功が約束されたロケット」と呼ぶ」
新品は、当てにならないということか(同社については、それは言えるかもな)。
(SpaceX: 再生Falcon 9ロケットによる初打ち上げを実施へ)
[URL]
「2020年代には、大型ロケットは、再利用可能であることが普通となる可能性も」
それはどうか分からないが、なぜ再使用ではないかという説明責任は出てきそうだな。
コストとの兼ね合いだから、別に再使用しなくてもそっちの方が安く済めば、それはそれでいい。
(次のSpaceXロケット打ち上げが見逃せない理由「成功すれば宇宙事業に激震」)
[URL]
「通常、SpaceXの打ち上げロケットを利用する場合、6100万ドルがかかります。しかし、再利用ロケットを利用する場合、30%のディスカウントを提供」(公式には6200万ドルで、再使用ロケット使用時は10%オフ)
(CAPABILITIES & SERVICES)
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