花散らしの雨
2017-04-09


花散らしの雨


さっきまで霧雨だったのに、食事から戻る頃には本降りとなった。

今日のお出かけは、全てキャンセル。

おうちで大人しくしていることに。

風も北風で、気温も下がってきた。

「花散らし」が、昔の合コンだったという話は有名らしいが、浮沈子はそういう感じで捉えてはない。

特に、雨についてはワビサビの世界だ。

春先の天候の変わりやすさと、散りゆくサクラを惜しむ気持ちは、昔も今も変わらない。

冷たい雨に打たれて、落ちた花びらが地面に貼り付くように散っている。

その、散ったばかりの花びらも美しく儚い。

泥にまみれる前の、散りたての瑞々しさを残している。

水に落ちれば、花筏となるが、雨の中では味わいがないな。

地面に落ちている方がいい。

咲いて良し、散って良し。

風に舞って良し、水に浮かんで良し、地面に落ちても、また良し。

ピンクの絨毯のように敷き詰められたサクラの木の下が、別世界のようだ・・・。

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