禺画像]
「現在の予定では、2018年10月にMMOとMPOを同時に打ち上げ、水星周回軌道に投入する。2つの探査機は水星到達後に分離し、協力して約1年間にわたり水星を探査する。」
ハッキリさせておこう。
この探査計画は、ESAのものだ(エアバスのポスターにもそう書いてあるしな)。
「The European Space Agency's mission to Mercury ・・・」
「The Mercury Magnetospheric Orbiter (MMO) is the only part of the mission ・・・」
その計画にJAXAが乗っかって、ついでに衛星を運んでもらうということだ(そうなのかあ?)。
費用的にも、分担内容から言っても、それは明白だな。
我が国の負担はおよそ154億円(平成28年度の段階)に対して、ESA側は一説には1千億円を超えていると言われている。
衛星は、水星表面探査衛星(MPO:Mercury Planetary Orbiter)が約357kgの三軸安定衛星で、高度400×1,500kmの軌道から観測を行う。
対して、水星磁気圏探査衛星(MMO:Mercury Magnetospheric Orbiter)は、約285kgのスピン安定衛星で、水星軌道投入後は高度400×12,000kmの軌道から観測を行う。
重さも、ESAの方が重い(そういうことかあ?)。
それだけではない。
水星まで、両衛星を運んでくれる親衛星(?)があって、それはESA側が用意するわけだ。
「水星軌道投入までは電気推進モジュール(MTM:Mercury Transfer Module)が使われる。MMH/MON3推進薬を使用する2液式の化学推進系が地球軌道からの脱出時と、月のフライバイ時に使われる。」
「巡航フェーズではイオンエンジンを使って航行する。この際の噴射方向は、進行方向とは反対側になる。これにより長時間かけて速度を徐々に低下させながら水星の衛星軌道に投入できるようにする。」
部品的には、この他に、到着までMMOの日よけの役割を果たすサンシェードモジュールがある。
つまり、全体で4つのモジュールから構成される宇宙機(Mercury Composite Spacecraft:MCS)のうち、3つまでがESAのものだ。
もちろん、打ち上げもアリアン5で行われる。
「ESAとJAXAの担当は次のとおり。」
「ESA:
・BepiColomboミッション全体の設計
・MPOの設計・製作・運用
・MTMの設計・製作・運用
・MMOサンシールドの設計・製作・運用
・MCSの組み立て・試験
・打上げ」
「JAXA:
・水星周回軌道上での運用
・MMOの開発・運用」
たぶん、水星周回軌道上でのMPOの管制は、ESA側が行うんじゃないかな(未確認)。
日本側は、大きめの相乗り衛星を打ち上げてもらい、水星周回軌道まで運んでもらうだけなんだろう。
その先の、観測や運用だけということになる。
打上げは、ESA側の事情で何度も延期され、今年の10月とされている予定通りに上がるかどうかも怪しい。
ウィキには、こんな記述もある。
「水星表面探査機(MPO)は、2011年に水星の周回軌道に入ったメッセンジャーに万が一のことが生じた場合にも備えた探査機である。」
そのメッセンジャーが大成功を収めた今日、予備機としての意義は完全に消滅した。
そもそも、水星探査の意義って、何なのかが、今一つ分からない。
(謎多き水星への旅は日本とともに)
[URL]
「確かに、宇宙探査は贅沢な活動です。それが地上での生活にどう役立つのかと聞かれたり、多額の投資をする理由を求められることはあります。しかし、宇宙科学の分野で費用対効果を求めるのは難しいと思います。」
「水星の磁気圏についての理解が深まったところで、私たちの暮らしが大きく変わるわけではありませんから。」
セコメントをする