ファルコンヘビー再考
2018-02-14


ファルコンヘビー再考


巷は、ISSが民間に移管されそうだという記事でもちきりだが、浮沈子は、そのことについては、書きかけては気乗りがせずにボツ記事にしている。

第3セクターみたいにして、相変わらず税金を注ぎ込んで形だけ維持しようとしても、ISSのような収益を生まないビジネスでは、結局持ち出しが多くなって失敗することは目に見えている。

ここは大人しく落下させて、成仏させるのが正しい(チーン・・・)。

まあいい。

で、いつも楽しみにしている鳥嶋さんの記事が上がって、先日打ち上げに成功したファルコンヘビー(ヘヴィ)のことだったので、さっそく読んでみた。

(爆誕! スペースXの世界最強ロケット「ファルコン・ヘヴィ」
第1回
困難を乗り越え生み出された、超大型の三体合体ロケット)
[URL]

連載のタイトルがすごいな・・・。

爆誕かよ・・・。

目新しいことが書いてあるわけではないけど、例によって分かりやすい日本語で書かれている、お手本のような記事だ。

3本の矢の話から始まるが、別にファルコン9が途中から折れたという話は聞かない(空中で吹っ飛んだり、地上で爆発はしたけどな)。

デルタIVヘヴィについても、ちょろっと出てくるけど、あれはあれで、外連味のないロケットだと思うけどな。

クラスター化の嚆矢といってもいい。

ファルコンヘビーのクロスフィードによる高度化については、当初実装する予定だったようだ。

今後、開発されることになるのかは分からない。

センターコアの回収に失敗したとはいえ、それ以外の部分はほぼ成功した打ち上げだった。

ヘビーについては、何度も書いているけど、再使用ロケットとして見た時には、今後開発される予定のBFRや、ニューグレンにないメリットを持っている。

そう、ドデカイロケットをパワードランディングさせるのは大変だからな。

小分けにして、一つずつ降ろす方が難易度は低い。

さらに、その回収については、ファルコン9で実績を積んできている。

巨大なブースターを再使用のためにパワードランディングさせようとしているのは、今のところ、スペースXとブルーオリジンだけだ。

SLSは使い捨てだし、ULAはエンジンだけの回収を考えているようだ。

再使用に限ってみれば、ファルコンヘビーのスタイルは、ベストな選択のように思える。

胴体の直径を、それぞれ5m位に増やして、エンジンをメタンエンジンのラプターに換装すれば、いい感じの再使用ロケットが出来そうな気がするんだがな。

もちろん、2段目は、新規開発して、完全再使用を目指すことになる。

SFチックなBFRの開発で時間を潰すよりは、ファルコンヘビーを改良していった方が、成果は得られやすいだろう。

まあ、浮沈子が考えるようなことは、みんなとっくに考慮済みで、没になってしまったに違いない。

当面の需要は、ファルコンヘビーで十分賄えるわけだし、改良したとしても、それに見合う収益が得られる市場が形成されるかどうかは分からないしな。

金儲けのためのロケットだからな。

稼げなければ意味がない。

溜まっているローンチマニュフェストを消化していくためにも、高性能で安価なロケットであることは重要だ。

さらに巨大なロケットに改造するには、それを維持して行ける需要がなければ意味がない。

BFRは、火星移民や大陸間移動という架空の需要が想定されているが、ISSの命脈が尽きようとしているわけだから、それを当てにした用途で稼ぐわけにもいかない。

当面は、インターネット衛星や、米軍の偵察衛星で凌ぐとしても、新しい需要を開拓するのは必然だろう。


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