宇宙は未来か
「宇宙を手にした者が、未来を手にすることになる。宇宙空間に到達する能力が大きければ、宇宙開発を発展させる舞台は大きくなる」
時代錯誤的に聞こえる台詞も、今の中国にとってはリアルな実感なんだろう。
(米アポロ5型に匹敵する能力、中国・長征9号の開発が順調に進展―中国メディア)
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「長征9号ロケットは2028年から30年にかけて初の打ち上げを行う」
「長征9号の打ち上げ需要は現在のところ、2030年には年間4、5回、2030〜35年には年間10回程度、2050年にはさらに増えると見込まれているという。」
長征9号って、何なの?。
(激化する宇宙開発競争。中国の巨大ロケット「長征9号」はNASAやSpaceXに匹敵か)
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「長征9号は直径10メートルサイズで4基のブースターを搭載し、地球低軌道(LEO)に140トンの打ち上げ能力を持つことになります。そして、長征9号は2030年までの打ち上げが予定されているのです。」
SLSやBFRに匹敵する打ち上げ能力だ。
昨日書いたファルコンヘビーの、2倍以上の能力がある。
「中国の宇宙開発はすでにアメリカに近いレベルに達している」
もちろん、米国は50年前にサターン5型ロケットを開発し、月面に人間を送り込み、さらには、火星、金星、水星、木星、土星やその衛星に周回型探査機を送り込み、天王星、海王星、冥王星などの太陽系の様々な天体に探査機を送っている。
急速に力を付けてきている中国は、10年後には、半世紀以上前の米国に近いレベルに達することは間違いない(って、そういうことかあ?)。
10年後には、米国の民間会社が月面(月軌道)に物資を配達したり、火星に植民地を築いたりしているかもしれないから、まあ、それに追いつくには更に10年や20年はかかるかもしれない。
もっとも、10年後の米国は、既にSLSを維持することさえままならなくなっているかもしれないけどな。
冒頭に引用した台詞を裏返しに言えば、宇宙を失うということは、未来を失うということだ。
米国は、徐々にその道を歩み始めているのではないか。
少なくとも、相対的な地位は低下しつつある。
火星を目指すと口では言っているが、本気で取り組んでいるようには見えないしな。
取り合えず、手近な月探査でお茶を濁そうかと・・・。
まあいい。
我が国の宇宙開発も、鳴かず飛ばずだしな。
技術継承を、やっとの思いでしているありさまだからな。
10年後も、年間数機の政府系打ち上げだけで、民需の取り込みなんて数えるほどしかないだろう。
みーんな、よそに持っていかれてしまって、閑古鳥が鳴いているに違いない。
そのことは、H3を開発しているありさまを見ればよく分る。
(H-IIAロケット、いよいよ「40号機」の大台へ - 見えてきた知見と課題)
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「打ち上げ回数を倍増し、また商業衛星の打ち上げ受注数の増加も実現するのは、並大抵のことではない。」
「発射台や、ロケットを組み立てたり衛星を受け入れたりする宇宙センター全体、さらにロケットや衛星を運び入れるための空港や港といった、運用にまつわるあらゆる設備やインフラなどもきわめて重要」
「種子島宇宙センターでは施設の老朽化が進んでおり、さらにそもそも施設が手狭」
「米国のスペースX、ブルー・オリジンなどが、新型ロケットのために新しい工場や整備棟、あるいは発射場すらも続々と建てていることと比べると大きな差がある。」
浮沈子的には、その理由は明らかだな。
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