「米国の良心」に触れる記事を読んでカタルシスを感じるも、軍隊が疲弊している状況に愕然
2019-10-10


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まあいい。

ここまではよくある話で、浮沈子も想定していたんだが、問題はこの後だな。

「実は、カプトン・ワイヤーの問題については、海軍も気付いており、運用開始から間もない1987年にはこれの使用中止を決めている。」

「ところが、使用中止は、新たに製造される機体のみが対象とされ、カプトン・ワイヤーを使用している既存の151機には適用されなかった。」

「53Eを製造したシコルスキー・エアクラフト社は海軍に対し、30年以上も前から再三、問題のワイヤーを別の物に交換すべきだと提言していたのである。ところが、海軍はこれを拒否。1998年に3度目の提言が行われてから、ようやく「検討する」との対応に変わった。」

「『53Eは金食い虫だ』と言ったんです。53Eはやがて引退する。ワイヤーの交換に多額の修理費を充てるなら、他に使い道があると」

「世界最大の軍事予算をもつ米軍は、最新の兵器や戦闘機の開発に湯水のごとく予算を投じ、その陰で安全確保のための修理費は削られてきた、と取材チームは指摘する。」

「米国には、米軍を尊敬、賛美する文化があり、米軍や米兵たちを特別な社会的地位に押し上げてきました。一方で、米軍は批判対象から外されてきた。でも、軍の内側を見ると、組織の中で苦しみ、声を上げながら潰されてきた兵士たちがいました。彼らは、僕らと同じ人間です。今回の調査報道ドキュメンタリー映画は、米軍の組織改善のために必要な、健全な批判です」

53Eは引退すると言われ続けながら、少なくとも2030年代まで使われ続ける。

「53Eの使用を海兵隊は2032年まで続ける。海軍では使用中止の見通しは立っていない。」

後継機(53K)の開発が遅れているためだ。

米軍は疲弊している。

技術的にも、組織的にも。

多額の予算をつぎ込んでも、現場に必要な支援は届かない。

(米軍事費、7年ぶりに増加 トランプ政権を反映)
[URL]

「米国が単独で占める6490億ドル(約72兆円)の軍事支出は、米国に続く上位8位までの国々の合計額に匹敵する。」

まあ、米ドル換算での比較だろうから、必ずしも実態を反映しているとは限らないしな。

「2016年以降、軍事費を縮小させているロシアは、上位5か国から外れた。ウクライナ危機を理由に2014年以降、欧米諸国がロシアに対して発動している経済制裁が、ロシアの軍事予算に影響を及ぼしている。」

ルーブルの下落を見込んで再計算する必要がある。

米国は、むちゃくちゃなことを平気で行う未成熟な国家だ。

それが、20世紀以降の世界を蹂躙し、翻弄し、混迷に陥れている。

その一方で、今回の記事に見られるような優れたジャーナリズムが健全に存在している。

普天間では、その後、ヘリの窓が窓枠ごと落下するという、信じられない事態も発生している。

(普天間第二小学校の校庭に落下した…)
[URL]

「普天間第二小学校の校庭に落下した米海兵隊CH53E大型輸送ヘリコプターの窓枠=2017年12月13日」

記事を検索していたら、今年の夏にも窓(枠なし)が落下した話があったようだ。

(普天間所属米軍機から海上に窓落下、来月4日まで飛行停止)
[URL]

「海兵隊CH53大型輸送ヘリコプターが27日午後5時半ごろ、同県約8キロの沖にプラスチック製の窓(重さ1キロ)を落下させていたことが分かった。」

「安全管理の徹底や、原因究明と詳細な結果報告も求めた。」

おざなりな当局の対応と、おざなりな報道。

まあ、当局の対応は仕方ないとしても、報道自体が疲弊していてどーする!?。


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