スターリンク衛星の打ち上げは、なぜヒマこいてるバンデンバーグから行わないのか
この理由については、確信はない。
テスト衛星であったティンティン(A&B)を除いて、スターリンク衛星は全てフロリダから打ち上げられている。
もっといえば、SLC−40からだけ打ち上げられている。
SLC−39Aも使えるスペースXだが、使わない。
(スターリンク)
[URL]
「打ち上げ履歴:
打ち上げ日(UTC):発射場:軌道傾斜角:機数
・2018年2月22日:ヴァンデンバーグ空軍基地(SLC-4E):97.44°:2
・2019年5月24日:CCAFS SLC-40:53°:60
・2019年11月11日:CCAFS SLC-40:53°:60
・2020年1月7日:CCAFS SLC-40:53°:60」
次回の打ち上げは、スターリンク3として、今月20日(UTC)に予定されている。
おそらく、同じ軌道傾斜角に上げるんだろう。
低軌道衛星コンステレーションとしては、イリジウムネクストがバンデンバーグから上がっていた。
(イリジウム-NEXT)
[URL]
「軌道:780 km×780 km、86.4°(初期/ストレージ軌道:667 km×667 km、86.4°)」
軌道傾斜角がティンティンと同じく極軌道に近い。
(ヴァンデンバーグ空軍基地)
[URL]
「太平洋に面しており、射場の南方と西方が海であるために、ケネディ宇宙センターと異なって、極軌道への打ち上げに際し問題が少ない。」
スターリンク衛星コンステレーションの英語版のウィキには、今後の展開予定が書かれている。
「星座の設計とステータス:
段階:軌道シェル(km):衛星の数:傾き(度)
1:550:1,584:53
1:1,130:400:74
1:1,275:375:81
1:1,325:450:70
2:335.9:2,493:42
2:340.8:2,478:48
2:345.6:2,547:53」
これをみると、バンデンバーグから上がりそうなのは、第一段階の一部(軌道高度が1000km以上で軌道傾斜角74度(400機)、81度(375機)、70度(450機))くらいか。
高緯度地域の人口は少ないからな。
この程度でカバーできると見ているんだろう。
追加で申請しているという3万機(!)については知らない(未調査)。
他の大多数の衛星は、フロリダからの打ち上げになる。
ちなみに、衛星の製造拠点はワシントン州のレドモンドということだから、まあ、フロリダよりカリフォルニアの方が近いと言えないこともない。
通信需要が高い中・低緯度の配置を充実させることを考えれば、バンデンバーグの出番は少ない。
もともと、米国の偵察衛星を打ち上げるための軍事基地だからな。
極軌道に適した場所が選ばれるのは当然だし、大陸間弾道弾のテストにも適しているようだ。
「クェゼリン環礁を着弾地とする大陸間弾道ミサイルの試射にも適している。」
物騒な打ち上げ施設ということになる。
もっとも、スペースXがスターリンク以外の打ち上げで使うこともあるだろう。
極軌道への打ち上げ需要は、一定程度あるからな。
浮沈子は、バンデンバーグからの打ち上げが大半になると思っていたんだが、そうではなかった。
その理由は、おそらく軌道傾斜角にある。
インターネット衛星コンステレーションの条件は、他社も同じだから、似たような軌道傾斜角に打ち上げられるようになるだろう。
需要のあるところに、供給体制を厚くするのは商売の鉄則だからな・・・。
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