日本学術会議の忖度
2020-01-30


「ILCは全長20キロのトンネル内で、ほぼ光速に加速した粒子同士を衝突させ、宇宙誕生直後の超高温状態を再現する施設。物理学の新たな理論につながるノーベル賞級の成果が期待され、物理学者らが岩手・宮城両県にまたがる北上山地への建設を構想している。」(産経)

ILC自体についての解説はどっちもどっちだが、ノーベル賞に言及のある産経に一票か。

「経済波及効果は2兆〜5兆円と試算されており、地元で誘致活動が活発化している。」(毎日)

欲に目が眩んで、将来に禍根を残しかねない施設誘致(そうなのかあ?)に言及している毎日にも一票かもな。

浮沈子は、基本的にはこんな施設はいらないと考えている。

セルンでも、対抗する直線型加速器を検討してるし、円形加速器で同じように電子と陽電子をぶつける計画は、中国とセルンでぶち上げられている。

元々、米国で画策されていた計画を、我が国に押し付けられているような経緯もあるしな。

世界に自慢できる大型プロジェクトを誘致するという観点からは、核融合施設(ITER:イーター)をフランスに持っていかれちまったということもあるし、穴埋めにちょうどいいのかも知れないが、いかんせん、後が続かない話だからな。

核融合のように、関連産業育成のメリットも少ない。

(世界最大、核融合実験炉の部品となる巨大コイル完成:追加)
[URL]

「2025年の運転開始を目指しフランスでイーターを建設中。日本は核融合反応を起こすための磁場コイルなど中枢機器の製作を担当」

(核融合実験炉用の300トン巨大コイル初号機完成 三菱重工が初公開:ついでに毎日の記事も追加)
[URL]

「永久磁石で最も強力なネオジム磁石の約10倍の高い磁場を作り出す。」

東北振興の意味合いも震災後10年を経て希薄化するし、さらに今後、オリンピックが終わればなおのことだ・・・。

政策的意義は、時間が経つ程に失われていく。

首の皮一枚繋いで先送りしている現状は、事を荒立てることなく安楽死的結末を期待しているようにも見える。

安定地盤にトンネルと聞いて、核廃棄物の長期保管施設への転用という生臭い話もある。

運転中排出されるトリチウム水繋がりで、福島との縁も浅くない(そうなのかあ?)。

政治的選択の余地を残した忖度が、果たして意味があるのかどうかはともかく、ILCが遠くなったことだけは間違いない。

画期的な要素(バブル再燃とかあ?)がない限り、復活の日は来ないだろう。

3年くらいして、次期マスタープランが検討される頃には、誰も覚えていないかもしれないしな。

露と落ち、露と消えゆくILC、東北誘致は夢のまた夢・・・。

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