ILC申請取り下げ:半年もたって明らかにされる不都合な現実
2020-09-09


ILC申請取り下げ:半年もたって明らかにされる不都合な現実


どうやら、直接的には新型コロナのせいではないようだな。

(国際リニアコライダー 「次世代加速器」取り下げ 政府基本構想申請 早期実現困難)
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「文科省の作業部会は2月、ロードマップ策定に向けた申請の受け付けを開始。ILCの誘致を推進する中核機関、高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)が書面審査に向けて書類を提出したが、3月に取り下げた。」

「(ILCを推進する)国際将来加速器委員会から『推進の枠組みを再構築すべきだ』との提言があり、申請時に描いた青写真と異なることになったため」

3年ごとに作成されるロードマップは、予算が付くかどうかの重要な関所だ。

その前に、マスタープランの重点大型研究計画になるとか、ヒアリングを受けるとかいう関所があるが、ILCはヒアリングこそ受けたものの、結果的には重点事項にならなかった。

重点大型研究計画にならなくても、ロードマップに乗る可能性もあるらしいが、例外的な扱いな感じらしい。

(ILC計画 ロードマップ掲載可能性 ほぼゼロ)
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「ロードマップは予算付けのための審査であり、マスタープランの重点リストを基に審査する。今回のように学術的価値と実現性の審査を受け、重点リストの選外になったプロジェクトを再度拾い上げ、審査することはないだろう」

(ILC、文科省構想に申請へ(選定のハードルは高く))
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「推進派の研究者サイドは文部科学省が策定する「学術研究の大型プロジェクトの推進に関する基本構想(ロードマップ2020)」に選定されるための書面審査に臨む見通しだ。日本時間21日、米国で行われているILC関連の国際会議で、文部科学省側がロードマップの審査対象であることを報告」

「過去の例を見ると、ロードマップ掲載計画は10件にも満たない上、重点計画と比べ審査要件のハードルも高く設定されている。」

この胆江日日新聞は、きちんと取材していて、甘い見通しでヨイショ記事を書いたりする地元メディアとは一線を画している。

毎日の記事は、今のところスクープ状態だが、3月に取り下げていたのが半年近くも経ってから表沙汰になるというのはどういうことなんだろうか。

この間、地元では様々な誘致活動が行われ、限りなく小さくなった実現(そうなのかあ?)に向けて取り組んできたわけだからな。

浮沈子的には、ILC自体を我が国が誘致することはないと思っているし、20年くらいの事業期間が終われば、放射化した設備や排水の管理や処理などの迷惑施設になる。

跡地(トンネル)を、核廃棄物管理施設にされる懸念もあり(ちょっと浅すぎる気もするし)、不要不急の科学者のオモチャを作る必要性は元々ない。

中国や欧州では、次世代加速器の構想が立ち上がっていて、米国で没になった施設の尻拭いをさせられる義理はない。

加えて、直接の話ではないだろうが、新型コロナによる社会経済情勢の激変の影響は否定できないだろう。

世界中で金が回らなくなり、各国の政府拠出がままならなくなっている。

まあ、誘致する我が国の公共事業的には、経済活性化という名目で、逆の目が出る可能性もあるけどな。

他の国は、ただ金が出ていくだけで旨味はない。

単なる文化事業に、この危急存亡の時期に莫大な金を出す余裕はないだろう。

金の出どころを、どこかに求めなければなるまい。


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[ノンセクション]

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