そういえばあれはどうなった:737MAXという幻が蘇る日
(ボーイング「737MAX」運航再開を承認 米当局)
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「米連邦航空局(FAA)は18日、米ボーイングの小型機「737MAX」の運航再開を承認すると発表」
2機の墜落、水平尾翼の制御(MCAS)のプログラムミス、その他諸々が絡んで1年8か月の長きに及ぶ運航停止措置になった。
「ボーイングはシステムの自動制御よりパイロットの操縦を優先するといった改良を施し、パイロットの訓練プログラムも見直した。」
それが、改良と言えるのかどうかは分からない。
根本的な制御プログラムの改定は行わず(未確認)、ベーン(羽根)式のセンサー故障などに依る不具合が生じた場合、機首上げ失速しがちな、そのままでは到底認められない特性の機体制御を、不慣れなパイロットに丸投げする対応となった。
従来の737シリーズと同等の操縦特性を死守するのではなく、欠陥機のまま放置し、トラブルの際には人間系に委ねるという呆れた対応だ。
FAAもEASAも、それを認め、運航を再開するという。
折しも、ISSにはクルードラゴンが到着しているが、NASAは、自動操縦システムがいい加減でも、何かトラブルが起こった際にはアストロノーツが対応するからいいと認めるんだろうか?。
宇宙船と航空機では異なるだろうが、そこはきちんとした説明が必要な気がする。
MCASの作動は、日常茶飯事なわけだし、バードストライクやその他の原因でセンサーからの信号が正しくシステムに送られないことは想定の範囲内だ。
常識的に考えれば、そういう基本設計の航空機の運航を認めること自体に問題があるような気がしてならない。
航空機は、未完成な機械を人間が操って飛ばすのが当たり前の話だから、それでいいのだと。
打ち上げロケットや、その先に付いている宇宙船とは違うんだと。
自動車では、部分的な自動運転が普及しつあるが、運行の結果責任はどこまでもドライバーが負う。
メーカーは、提供する機能が正常に作動するところまでしか責任を負わない。
そして、それは完全ではない。
人間系が担保する責任体系の中でのみ、運行が許可されている。
それを言い出したら、エレベーターだって、動く歩道やエスカレーターだってそうかもしれない。
ユーザーの感覚としては、エスカレーターが、人間によって運行されているという認識はない。
始業確認、定期点検を受け、当局のお墨付きを得て、人間系の責任で運行されている乗物という感じじゃないのだ。
いや、道路だって、供用に付されるには当局の認可が必要だしな。
乗物じゃないけど・・・。
ある確率の中での安全を確保して、後は運を天に任せて運行する。
道路がいきなり陥没して穴が開いたり、橋がズレて通れなくなったりすることは想定の範囲内だが、だからといって全ての道路を通行止めにすることはない。
我々が生きている便利な世の中は、そういう、黙示の了解のもとで動いている。
737MAXもまた、そういう世界のアイテムの一つだ。
墜落事故は、再び必ず起こるだろう。
改良されたと言われるMCASについては、しっかりと情報提供されるだろうし、機首上げ失速しやすい機体が、フルパワーで旋回中にシステムが効かなくなった際の機体制御に対応するパイロットのトレーニングは、必要十分な時間を掛けて行われるに違いない(従来は、アイパッドで1時間とか)。
それでも、静的安定性を欠いた機体をそのままにして、機械制御に頼って飛ばす以上、それが壊れれば通常とは異なる状況になる。
そして、それに対応できなければ事故は繰り返される。
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