設計上の問題が表面化したのか、製造上の潜在的な問題があるのか、事前の検査項目や方法が適切なのか、そもそも、33基なんてべらぼーな数のエンジンをクラスター化させて運用しようというアーキテクチャー自体が失敗なのか(そんなあ!)。
それらの懸念を、この2か月足らずの間に払しょくできていると考えるのは、いささか無理があるというものだ。
誰が考えたって、WDR止まり(それだって、順調に行くのかどうか)で、点火試験から先に進めない方がありそうな話だ。
しかも、SLSは使っている部品そのものは、20世紀に実際に飛行したスペースシャトルの部品そのものだからな。
それでさえ、あのていたらくなわけで、スクラッチから開発したスターシップのようなロケットが、最初から上手くいくわけはないのだ。
「最初の軌道ミッションがどうなるにせよ、SpaceX は主に、ロケットが発射台から十分に離れた後にのみ失敗が発生することを望んでいます。離陸直後の爆発は、宇宙基地(スターベースのこと)のインフラに重大な損傷を引き起こし、その後のテスト ミッションを大幅に遅らせることになります。」
発射台を壊さずに済めば大成功だな。
記事は、打ち上げた後の話にも触れているけど、それは半年や1年は先のことになるかも知れない。
スーパーヘビーブースターの点火に成功し、離床できたとしても、燃焼を継続して飛行を続け、メインエンジンカットオフ(MECO)に持ち込めれば上出来だろう(その後の1段目が回収されないという話はあるけど、再点火して減速したり、コールドガススラスターを噴射して姿勢制御するのかは書いてない:この件については情報が出た:<以下追加>参照)。
2段目との分離、2段目のエンジン点火(ラプター2の大気用3基と真空用3基:それでもSLSより多い!)はボーナスだろう。
2段目(スターシップ)が、順調に飛行して再突入まで持ち込めれば奇跡だ。
そこから先は、神のみぞ知るだな。
「しかし、Elon Muskでさえ、スターシップの軌道からの帰還が初めて成功するという事実を期待していません.」
別記事では、打ち上げ毎に50パーセントと見積もっている(たぶん、テキトー!)。
「軌道ミッションの目標は、スターシップを軌道に乗せてそこでテストすることではなく、スターシップが軌道から戻るときにさらされる条件を可能な限りシミュレートすることです。これはおそらく最も難しい部分です。スターシップ軌道ミッションの。まず、ホットリターン時に船体の風上側を保護するセラミック板製の遮熱板をチェックします。また、周回軌道への往復飛行における超音速、亜音速、遷音速段階での空力制御の機能を検証することも可能です。」
そういうのをテストすることが出来れば、たとえ成功ではなくとも、ミッション自体は大成功ということになる。
ロケットは、とにかくうち上げてみなければ分からないことだらけだ。
初めての打ち上げで成功することを期待してはいけない。
しかし、分かっていることで手を抜いたり、甘く見てかかることは厳に慎むべきだ。
物理の神様は公平だからな。
舐めてかかった時のしっぺ返しは厳しい。
墜落激突爆発炎上木っ端微塵だな・・・。
<以下追加>ーーーーーーーーーー
(FAAは何と言うでしょうか?〓
SpaceXのStarshipビークルは、打ち上げライセンスを待っているだけで、飛ぶ準備ができています
SpaceX のエンジニアは、これらの車両の性能について何百万もの質問をしています。)
[URL]
エリックバーガーが、このネタで記事を書かない訳はないのだ・・・。
セコメントをする