2023-06-17
米国のメンツが丸つぶれになろうが、そんなことは世界にとってはどーでもいい話だからな。
ラプター2の信頼性が上がらず、数年以内にスターシップの軌道飛行が実現しなければ、S社は財政的に破綻するかもしれない(財政状況も不明だからな)。
そうなれば、アルテミスはおろか、米軍の打ち上げやスターリンクの先行きも怪しくなる。
今や、ブリキ細工の未来の巨大ロケットは、米国の宇宙開発の未来を背負っているわけだ。
NASAのお偉いさんは、FAAに脅しを掛けに行ったようだが、米国の宇宙開発の未来とボカチカ周辺の住民の安全を天秤にかけるわけにはいかない。
安全は、全てに優先する。
今世紀中に米国が月に戻ることも危うい。
ブルーオリジンのHLSについては、さらに怪しいしな(採用してもらうためだけに、完全再使用を謳ったようだし)。
いろいろ書いたが、そもそもアルテミスは火星を目指していたはずのNASAが、んなもんは当面の目標にするには遠すぎるということで、手近な目標は何かないかと探した挙句、でっちあげたテキトーな話に過ぎない。
月にはもう行っているので、到達することに意義はない。
持続的なアクセスにしても、その先に何があるのかが明示的に示されてはいないしな。
月面に持続的に滞在するためには、地球からの莫大な支援が必要だ。
まあ、もっとも、火星移民に比べれば屁のようなもんだろうけど。
米国主催の月面観光旅行(なのかあ?)が始まったとしても、ISSのように持続的にそこに滞在するわけではない。
年に1度、オリオン宇宙船が4人の観光客を乗せて月軌道ステーションを訪れ、怪しげな月面着陸船に乗り換えてミニツアーに出かけるだけだ。
そこには、ホテルもなく、これといった見どころもない。
荒涼とした月面が広がるだけの、つまらん旅行だ。
月面基地?。
そんなもんは、22世紀の話だろう。
その前に、有人火星探査が行われる。
当局は、火星から目をそらすためにアルテミスをでっち上げたわけだが、今度は逆に、いつまで経っても進展しないアルテミスから目をそらすために、有人火星探査を前面に出してくるに違いないのだ。
一発物でも、こっちは他の「惑星」への初の有人探査という意義がある。
そして、おいそれと他国がまねできない点でも、米国にとって選択する意味があるしな。
が、その実現可能性は限りなく低い・・・。
なーに、心配はいらない。
そういうことになれば、第二のアルテミス計画をでっち上げればいいだけの話だ。
とっかえひっかえしながら、業界は政府や民間から資金を調達することができる。
浮沈子は、こういう宇宙詐欺まがいの話にうんざりしている。
我々には、この地球上で成し遂げなければならない話が山のようにあるはずなのに、その困難から目をそらすための手っ取り早い目標を示されて混乱している。
毎年、41億ドルをつぎ込んで、月面観光にたった4人が行ったところで、その他大勢の人類は幸福にはならないだろう。
確認しておこう。
アルテミスは、スターシップの遅れで危機に瀕している。
スペースXは、NASAとの固定契約の縛りのせいで、財政危機に陥る懸念が生じている。
スターシップが破綻すれば、アルテミスは崩壊し、米国の宇宙開発はとん挫する可能性もある。
ブルーオリジンのHLSはさらに危うい(ニューグレンなんて、影も形もないしな)。
アルテミスが消えちまっても、有人火星探査で資金調達は可能だが、その実現性は限りなく低い。
宇宙詐欺にはご用心というところかな・・・。
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