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リユースロケット
本当なら、今日飛ぶはずだったスペースXの補給船の発射が、今月末に延期された。
(スペースX ドラゴン補給船の打ち上げを3月末に延期)
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「打ち上げ予定を2週間延期して3月30日、バックアップ予定日を4月2日と設定した理由について、スペースX社は「ミッションの実現を最も高い水準にするため」と説明している。」
第1段ロケットの回収に向けて、同社のやる気と凄みを感じる。
いよいよ、宇宙の歴史に新たな1ページが加わるのだ。
もちろん、再利用ロケットといえば、引退したスペースシャトルがそうだったし、オリオンロケットのカプセル部分は10回程度の再利用を想定している。
浮沈子は詳しくないんだが、他にも再利用を目指すロケットは多い。
しかし、知る限りにおいて、第1弾ロケットという、最も使い捨てにしたい部分を再利用するという話は聞いたことがない。
でかくて、重くて、扱い辛くて、話題性に乏しく、予算削減のターゲットになりやすく、面白みのない地味な技術だ。
ロケットなんて、使い捨てが当たり前なんだから、ソユーズのような枯れた技術で打ち上げっぱなしでいいじゃん?。
しかし、そこが電気自動車を大衆の移動手段として定着させ、既存の自動車ディーラーと一戦交えても自主販売網を展開しようとしているイーロン・マスクCEOの根性の見せ所である。
彼の最終目標は火星であり、地球低軌道なんかのレベルではないのだ。
火星に低廉な価格でロケットを飛ばすのに必要な技術を、地球低軌道で開発しているに過ぎない。
NASAや、軍需による打ち上げというのは、そういった高度な技術を確立するための、まあ、言っちゃあ何だが方便のようなものだ。
民間企業だから、食っていかなけりゃならない。
ボーイングを初めとした既存の軍需産業に食い込み、低廉なコストで打ち上げを行って、その稼ぎで火星計画を実行しなければならないのだ。
そのためには、費用を稼ぐ意味でも、低コストローンチシステムの確立が必須なのである。
(UPCOMING MISSION: FALCON 9 AND DRAGON LAUNCHING TO SPACE STATION:元記事)
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スペースXは、洒落や酔狂で再利用ロケットを推進しているわけではないと、浮沈子は見ている。
この技術は、彼らにとって不可欠の技術なのだ。
もっと言えば、スペースXがスペースXであるための、コアな技術なのである。
マーリンエンジンは、そのために開発された。
何度かの打ち上げでは、回収に要するデータの収集が行われている。
グラスホッパーの試験は終了したが、正に、そのための試験飛行だった。
プレーン型の宇宙往還機は、今でも構想されていて、時期有人宇宙船としての採用を目指している。
しかし、それは先っぽの、チンケな搭乗部分に過ぎない。
しかも、カプセル型の宇宙船でも、複数回の使用が常識になろうとしている時代に、いささか古びた印象すら与える(スペースシャトル、引退したし)。
第1段ロケットの次は、2段目である。
なんか、こっちの方が易しそうに思えるが、燃料の搭載量とかの関係で、技術的にはシビアになるのかもしれないな。
将来は、機械船も回収するようになるんだろうか?。
そのときは、2段目とランデブードッキングして、フェアリングの中に再格納してお持ち帰りという話になるかもしれない。
スペースXでも、そこまでは考えていないようだ。
機械船は、やはり宇宙デブリになるか、太平洋に計画的に落下させるかしなければなるまい。
それが、経済的に引き合う現実的な方法というものだ。
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