朝のポルシェ
朝のリンゴは、金のリンゴ。
朝のポルシェは、金のポルシェである。
ワケワカ・・・。
今朝読んだ清水和夫の記事。
(だからポルシェは「宇宙一」なのである)
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ターボのポルシェに試乗したので、何か触発されるものがあったのだろうが、この記事を読み解くには、沢村慎太郎のかつての記事が参考になる。
(宿痾(しゅくあ))
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「ポルシェ911は、フェラーリや日産と闘っているのではない。911は911であるということの本質と闘っているのだ。」
いいセリフだな。
911は、ある意味、ピュアではない。
商売として成り立たせるために、4座のクーペを作り続けてきた。
RRは、今では珍しいが、開発当初は他にもいろいろな車があった。
その中での選択に過ぎない。
成行きの結果・・・。
そもそも、出自はVWのビートルだからな。
それを、世界に冠たるスポーツカーとして育て上げてきた技術こそ、アットーテキだ。
「孤高の911にまつわるエピソードは、枚挙にいとまがない。RR方式はほかに例がないため、現代の自動車理論では説明にしくいが、理屈を突き詰めると、911ほど論理的なスポーツカーはないのかもしれない。」
んな、ややっこしいことしなくたって、素直に2座ミッドシップ(センターハンドルで3座でもいいですが)にすれば、AWD(4WD)や、4WSなんか付けなくたって、スポーツカーとして成立することはボクスター・ケイマンで自ら実証している。
MRの車種には、オプションだってそんなものはない。
いらないから・・・。
ゴテゴテと、ハイテク満載にしなくても、十分速く走れて、しかも気持ちいい。
そうしなかったのは、911が記号性を纏って売れ続けたからだろうが、ポルシェはもっと売れる車を開発して、カイエン、パナメーラ、マカンを売りまくっている。
それを正常進化と捉えるか、堕落と貶すかは、まあ、どれだけピュアな911を信奉しているかによるな。
元々、4座のファミリーカーである911は、ピュアじゃないしな。
妥協の産物だ。
加速の時のトラクションの掛かり具合、記事にもあるブレーキの動的バランスは、RRならではの乗り味だが、同じパワーを与えたMRには敵わないだろう。
しかし、もちろん、やっぱ、911は乗って面白いクルマだ。
鼻の軽さ、絶対的に短いホイールベース、ファミリーカーには不必要なパワーで、峠や高速やサーキットを走りまくる。
楽しい!。
水冷になったって、ダウンサイジングターボになったって、このレイアウトを死守し続ける限り、そのアイコン性が失われることはない。
20世紀が生んだ、21世紀のクルマだ。
ハイテクてんこ盛りで、物理の神様に喧嘩吹っ掛けながら、宿痾を抱えたクルマを作り続けるポルシェ。
ドイツという国は、地味が痩せて豊かな農産物を作れなかったことから、工業が発達してきたという歴史を持っている。
技術に賭ける魂が半端ないのだ。
その象徴としての911は、ポルシェのみならず、ドイツ自動車産業、ドイツの産業、いや、ドイツそのもの象徴だといっていい。
「最近のポルシェは、ハイテクに熱心である。昔のポルシェに愛情を感じる人にとっては受け入れがたいかもしれない」
ポルシェは、昔からハイテクには熱心だった。
記事にあるように、928のヴァイザッハアクスル(パッシブ4WS)もやったし、930ターボも作った。
懐古的に、今と比べてシンプルな911を愛でるのは、単なる時代錯誤である。
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