2016-05-18
CCRダイバーの操作
さっき書きかけたことを、書いてしまおう。
一体、CCRダイバーは、ダイビングの際に何をしているのか。
最も重要といわれるのが、今、自分が吸っているガスが何なのかを知るということだ。
オープンサーキットでも、実は同じなんだが、まあ、その管理は深度と時間だけで済む。
CCRの場合、製造された混合ガスを吸っているので、それが上手くいっているかを確認するということだ。
わざわざ確認しなければならないということは、上手くいかないことがあるということで、その場合には、気付かなければヤバイ話になる。
メーカーは、例えばAPDの場合、PO2の確認は、1分以上2分未満の間に1回はしろといっている。
どうヤバイとか、そん時にどーするとかは、ここでは書かない。
他にも、持ち込んでいるガスの絶対量が少ないので、残圧の管理も重要だ。
ベイルアウト用のシリンダーは、最低1本は持ち込んでいるので、その残圧も確認する。
さて、吸っているガスのモニターが重要なことはいいとして、それと同じか、あるいは考えようによっては、遥かに重要なのが呼吸することである。
何を言っているのか???。
もちろん、人間側の呼吸は、まあ、ふつー、誰でもする。
ここで強調しておきたいのは、呼吸は、CCRの本質である、呼吸回路内のガスを循環させる原動力となっている点だ。
オープンサーキットと異なり、CCRは、カウンターラングがあるので、通常、息を吐いても沈まず、吸っても浮かない。
ケースによっては、逆になることさえある。
適当に呼吸していても、しっかり呼吸していても、浮力は変わらない。
しかし、息を止めている間、回路内のガスは滞留し、二酸化炭素の除去は行われない。
二酸化炭素の除去は、化学反応によって行われていて、発熱反応による熱で、水酸化カルシウムが温まっている。
呼吸が止まっていれば、その熱は外部に逃げ、除去の効率は下がることになる。
冷え冷えの水酸化カルシウムが温まり、除去効率が適正になるまでには時間が掛かる。
水底に張り付いて、文字通り息を殺してハゼを狙っている時などは、気を付けた方がいいな。
もちろん、薬剤は、十分な量充填されているし、何分も思いっきり息堪えした直後に、全力でダッシュしない限り、問題になることはないだろうが、例えば水深が深いところや、低い水温の環境では無視できない影響が出る可能性がある(高い圧力や低温によって、反応は落ちる)。
3つ目は、呼吸回路内のガスのボリュームを、適正に保つことだ。
講習などでは、耳蛸状態になるほどミニマムループボリューム(ミニマムボリュームともいう)という言葉を聞くことになる。
水圧の変化に伴う、カウンターラングの膨張、収縮をコントロールして、呼吸に必要な容積を維持する。
まあ、これ以外は、基本的にはオープンサーキットと変わらない。
BCの調整とか、当然行うし、ガスの管理以外にも、モニターの項目(深度や潜水時間)を見たりするが、何事もなければ、大したことはやっていない。
なーんだ・・・。
と、舐めて掛かると、苦労することになる。
中性浮力一つとっても、一筋縄ではいかない。
そんでもって、何かあった時には、直ちに適切に対応しなければならない。
CCRの練習は、偏に、そのためにある。
練習の9割以上は、トラブル対応。
レクリエーショナルレベルの場合は、やや簡単な対応で済ませているが、テクニカルレベルの対応は、半端ない。
浮沈子の弱い脳みそは、パンクしそうだ。
来月は、再びパラオで特訓がある。
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