わたしをアイランドに連れてって
2017-10-06


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わたしをアイランドに連れてって


南の島中毒症の浮沈子とは、多分関係ない話。

先ごろ、ノーベル文学賞受賞が発表された英国の作家であるカズオイシグロの作品に、「わたしを離さないで」というのがあるそうだ(浮沈子は読んでません)。

(わたしを離さないで)
[URL]

「「提供者」達は臓器提供のために造られ、摘出手術が終われば死ぬだけのクローン」

「発行日:2005年4月5日」

やや趣は違うが、同時期にこんな映画も出ている。

(アイランド (2005年の映画))
[URL]

「公開:2005年6月22日」

「自分たちが保険会社のクライアントに臓器や代理母を提供するためのクローンでしかないこと、彼らの幼い時の記憶でさえもプログラムで捏造されたものなのだ」

医師役を演じたショーン・ビーンの演技が光る。

浮沈子は、確かDVDで見た。

ユアンマクレガーが演じる主人公(えーと、クローンの方)が見る夢の中に登場する豪華クルーザーが、妙に印象に残っている。

(118 WallyPower)
[URL]

「The 118 WallyPower has appeared in popular UK car programme Top Gear - where it was compared with a Pagani Zonda S Roadster - as well as the movie The Island.」

うーん、比較するもんが違うような気がするんだがな。

まあ、どうでもいいんですが。

よく似た状況(臓器提供者を「培養」するという、倫理的にちっとヤバイ話)を土台にしている話が、ほぼ同時期に世に出たという点では、注目に値するな。

クローンを巡る医療技術が、現実味を帯びて語られるようになり、社会との整合性を求められてきたという背景があるんだろう。

まあ、ありがちなストーリーだからな。

実際、アイランドの方は、著作権侵害訴訟を食らっている(法廷外和解)。

(The Island (2005 film):Copyright infringement suit)
[URL]

まあいい。

問題なのは、そういう状況における倫理的な話が、ちゃんとした議論をすっとばして容認され、未来の現実として容認されていくということだ。

有難いことに、作り話の世界ではなく、現実の世界では人工多能性幹細胞(iPS細胞)のように、人格がある(と思われる)一人前(?)のクローンを作らんでも、臓器単体が作れるようになってきた(ちなみに、初期のiPS細胞は、2006年に作られた)。

アイランドが描く未来世界は、2019年だそうだが、現実の世界では2019年になれば、様々な臓器がiPS細胞の技術をベースに作られていることだろう。

事実は小説より奇なり・・・。

まあな、今後、iPS細胞関連の技術が進化して、脳細胞とか作れるようになったりすると、いろいろややっこしい話が出てくるかもな。

めんどくさそうだから、誰もやらないだろうとは思うけど、iPS細胞で作られた臓器を材料にして、生身の人間を組み上げたりすることも考えられる。

アイランドなどの物語が指摘した倫理的課題をクリアしたかに見える技術が、新たな課題を生み出しかねない。

クローンの話は、それこそ孫悟空の時代からある話だ。

(孫悟空:脚注8参照)
[URL]

「他には分身する術など。身外身の術という、にこ毛を噛み砕いて吹いた物を多数の猿に変化させて使役する術はよく使われる」


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[ノンセクション]

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