最短でも2か月、下手をすれば年内打ち上げは不可能なH2Bの発射台火災の甚大な影響
2019-09-15


禺画像]
「第3移動発射台(ML3)は高さ65.5m、幅22m、奥行き25.4m、総重量約1,100トンとなっている」

(種子島宇宙センターの概要)
[URL]

「(4)大型ロケット移動発射台(Yoshinobu Movable Launcher; ML)/大型ロケット移動発射台運搬台車(通称;ドーリー)
大型ロケット移動発射台は、大型ロケット組立棟内で組み立てられたH−UA及びH−UBロケットを保持し、ロケット発射時には発射台として使用される。H−UAロケットは、大型ロケット組立棟から約500m離れた第1射点まで移動させる。H−UBロケットは、約400m離れた第2射点まで移動させる。移動は、2台の多重輪(タイヤ)方式の移動発射台運搬台車により実施される。移動発射台のH型マストは、推進薬配管、電気ライン、空調用ダクト等のアンビリカルラインを保持するアンビリカルマストとしての機能を有している。
大型ロケット移動発射台は2台あり、うち1台をH−UBロケットの重量に対応できるよう、移動発射台、移動発射台運搬台車について構造や駆動装置等においての補強を行った。」

「【参 考】
<大型ロケット第1移動発射台(ML1)2t〜3t級H−UAロケット対応>
高さ 65.5m/幅 22m/奥行き 21m/総重量 約850t
<大型ロケット第3移動発射台(ML3)2t級H−UA、H−UBロケット対応>
高さ 65.5m/幅 22m/奥行き 25.4m/総重量 約1,100t」

重要なことは、我が国にはH2Bを打ち上げられるML(Movable Launcher)は1台しかないということだ。

これが燃えちまったということは、由々しき事態に違いない。

(〜縁の下の力持ち〜 ロケット運搬台車について)
[URL]

「打上げ時の熱損傷を減らす:
現行のH-IIA/B用MLから開口部を広く取ることで、打上げ時の噴流の熱などによる構造体の損傷を抑えます。また、上部デッキにあった推進薬や高圧ガス、水などの配管や機体固定台を無くすことで打上げ後の補修が容易になり、打上げ間隔を短縮することができます。」

新型の発射台の宣伝だが、逆に言えば現行の発射台は熱損傷が大きく、配管の補修が手間だということになる。

「このように様々な工夫を施すことで、打上げ後の設備補修にかかる期間を大幅に短縮することができ、従来約2か月必要であった打上げ間隔を1か月以下に抑えることが出来るようになります。」

つまり、通常打ち上げの熱損傷による設備補修でさえ、2か月の期間を要するわけで、今回のような火災による損傷がどれ程の補修期間を要するかは想像もつかない。

代替の発射台はなく、何としてもML3を直して打ち上げなければならない。

それも、あとたった2回の打ち上げのためにだ。

うーん、痛い話だな。

下手をすると数か月の補修期間を有する可能性もある。

年内の打ち上げが見送られる公算が出てくるかもしれない。

報道では、今月内の打ち上げを匂わせるものも見受けられるが、そう簡単な話ではないだろう。

(【H2B発射延期】日本の信頼損ねぬ対応を)
[URL]

「火災現場を調査した三菱重工業によると、機体や発射台の損傷は軽微とみられ、火災発生から「1週間程度で再度の打ち上げに向けた整備が可能」という。ただ具体的な日程は未定のままだ。」

動画を見ると、明るく輝きながら、何かが溶け落ちているようにも見える。

損傷は甚大とみるべきだな。

浮沈子的予想では、打ち上げは半年くらい先になるかも知れない。

今年度中(2020年3月まで)に上がれば、まあ、上出来の部類だろう。


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