再開への圧力でいつか来た道を辿らないとは限らないB社への懸念
2019-10-28


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再開への圧力でいつか来た道を辿らないとは限らないB社への懸念


ボーイング737MAXの事故について、しつこく追いかけている(たまにググる程度ですが)。

一連の報道を見ていると、エアバスの攻勢に対抗する必要から、省燃費への早期対応を迫られ、エンジン搭載位置の変更によるMCASの導入に焦り、生煮えのままリリースした状況が浮き彫りになってきている。

やれやれ・・・。

社内では、懸念する声も上がっていたようだが、技術者の良心はビジネス(=金儲け)優先の大合唱にかき消されたようだ。

まあ、しかし、ありがちなパターンでもある。

まずいことに、米国の規制当局(FAA)は、この時期に型式認定の作業の大部分をメーカーに丸投げし、実質的な評価を行っていなかったことも明らかになっている。

つまりは、メーカー内部の匙加減でどうにでもなる状況が生まれていたことになる。

やっば!。

実際、どうにでもなっちまったしな・・・。

メーカーが適当こいても、規制当局が十全に機能していたら、こういう事態にはならなかった。

つーか、規制当局が公的部門の経費削減や効率化などで骨抜きになることを見透かしたメーカーの意図的対応と言えなくもない。

犯罪的な状況だったわけだ。

それは、過去形なのかな?。

浮沈子が今懸念しているのは、再開への圧力の中で、同じことが繰り返されようとしているのではないかという点だ。

常識的に考えれば、静的不安定性をもつ現行の設計を抜本的に見直し、MCASなしでも機首上げ失速しない機体を再設計して仕切り直すのが順当だ。

リリースした機体は、全てスクラップにするか、部品取りに回すしかない。

開発には時間が掛かるだろうから、その間は燃費が悪い737−800などのNGシリーズを作ることになる。

もちろん、ランニングコストは高くなるから、キャリアはいやがるだろうが、それは仕方ない。

エアバスのウエイティングリストは、6年先まで埋まっているらしいから、シェアが急激に逆転することはないだろうが、その間に再設計が完了し、まともな審査を受け、生産体制を確立し、ラインを軌道に戻すことに失敗すれば、米国の短距離航空機戦略は危機に瀕することになる。

また、その間の技術的乖離は、取り戻すのに長い時間が掛かるに違いない。

エアバスだって、何があるか分からないしな。

ざまあみろとはいわないが、他山の石として厳粛に受け止めているに違いないのだ。

実際の話は、抜本的再設計ではなく、クソなMCASの改良に留まる。

機種転換訓練(移行訓練)も最小限のままだ。

ロイター(ニューズウイーク掲載)の記事が気になる。

(ボーイング、737MAX関連メールの当局提出遅らせた? 失速防止機能の問題巡り)
[URL]

「FAAは18日、ボーイングが前日に「数カ月前」に把握したメッセージを提出したと説明。737MAXが初めて認証された2016年時のFAAとのやり取りが記されているという。」

この件には、いくつもの問題点がある。

2016年当時、現場の声を握りつぶした点、司法省に先に提出し、当初はFAAには知らせなかった点、把握してから、少なくとも4か月間(ホントかあ?)FAAには秘密にしていた点などなど。

司法省に先に知らせた点については、司法捜査との関係で説明されているが、FAAとの信頼関係が危うくなっている証拠かもしれない。

4か月前に初めて知ったという話は、どう考えても眉唾だが、それが本当なら新たな懸念が生じる。

B社は、今も、そしてひょっとしたら今後も、2016年当時と同じく、或いはそれ以上にFAAを欺こうとしているのではないか。


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[ノンセクション]

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