インフライトアボートテストで1段目停止後に行う理由とスターライナーが行えないわけ
2020-01-19


禺画像]
インフライトアボートテストで1段目停止後に行う理由とスターライナーが行えないわけ


ファルコン9は、液体燃料ロケットだ(ケロシンと液体酸素)。

固体燃料を使ったブースターは使わない。

基本的には、アポロを飛ばしたサターン5型と同じだ。

液体燃料ロケットは、燃料の供給を止めれば噴射は止まる。

比較的制御は行いやすいだろう。

固体燃料ロケットは、そうはいかない。

オモチャのロケット花火と、基本原理は同じだからな。

一度火を点けたら、途中で止めるわけにはいかないのだ。

その代わり、高出力を簡単に得られ、エネルギー密度も高い。

バージンギャラクティックが開発しているスペースシップツーのハイブリッドエンジンは、両者のいいとこどりをしている。

酸化剤を火が着いてる固体燃料(とりあえず、最初はちょっと燃やしとかないとな)に吹き付けることで燃焼させ、酸化剤の加減で出力を調整したり、燃焼を止めたりすることができる(正確には知りませんが)。

(ハイブリッドロケット)
[URL]

「推力が必要な時には弁を開けることで燃焼室内に液体推進剤を供給し、点火装置を用いて点火する。」

ははあ、点火装置があるのか・・・。

まあ、どうでもいいんですが。

長らくの疑問だったクルードラゴンの脱出システムが、一段目の燃焼が終わってから起動するというのは、液体燃料ロケットだけで構成されているので、十分な安全性があるからということらしいと分かった(そうなのかあ?)。

これは、何かにそう書いてあったということではなく、浮沈子の妄想に過ぎないことをお断りしておく。

だって、何かあったら燃焼を止めることができるからな。

つーか、何かあったら、燃焼が止まるということになる(何事もなければ、燃え続けてるわけだし)。

それでも、例えば実際にあった2段目の爆発のように、予期せぬ事態が起こればそんなことは言ってらんない。

あらゆる事態に対応できる緊急脱出システムなんて、やはり存在しないのかもな(けん引式でも、けん引ロケットが離脱した後のトラブルは、別途考慮する必要がある)。

ロシアのソユーズは、液体燃料ブースター(つーか、それが1段目という位置づけらしいけど)の燃焼中に緊急脱出に成功している。

まあ、正確には、ブースターの切り離しに失敗しちまったわけだから、似たようなもんかもしれないが、2段目(真ん中のロケット)は1段目と同時燃焼しているから、少なくとも加速中の脱出だったということになる。

(砕け散った「コロリョフの十字架」 - いったいなにが起きたのか?)
[URL]

「4基の第1段機体のうち、ブロークDが分離できず、そして第2段に衝突したか、ロケット全体の姿勢を乱すなどしたという説が有力」

詳細は、鳥嶋さんの5回に渡る力の入った連載をお読みいただきたい。

で、次なる疑問は、もう一方のスターライナーは、なぜインフライトアボートテストを行わないかということだ。

打ち上げに使われるアトラスV N22ロケットは、型式からも分かるように固体燃料ブースターを2基搭載している(N:フェアリングなし、2:ブースター2基、2:上段ロケット(セントール)のエンジン2基)。

本来なら、こっちこそ、インフライトアボートテストで、緊急時の脱出能力を実証しておく必要がある。

でもやらない・・・。

似たような話は、チャレンジャー爆発事故を起こしたスペースシャトルにも当てはまる。


続きを読む

[宇宙]

コメント(全0件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット