米ロ宇宙開発競争の時代始まる:それとも米国の独り勝ちかあ?
2020-04-18


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「旧式のクールスAは、アンテナが可動式、展開式で、もし展開に失敗すればドッキングできなくなる可能性もある。また、クールスAの電子機器を製造しているのはウクライナの企業であり、ロシアにとって入手や使用がしづらいという問題もあった。とくにウクライナ独立後、同社はロシアに対してクールスAの価格を吊り上げるようになり、そのためロシアは、一度使用したクールスAの電子機器を取り外し、スペースシャトルで持ち帰って再使用するといったこともおこなっていたほどである。」

さて、自前の打ち上げロケットを手に入れて、それで満足してはいられない。

B次世代ロケットの開発

「新型宇宙船「フィディラーツィヤ(Federatsiya)」の開発も進んでいる。」

円錐台形のコンサバな宇宙船だが、ソユーズ宇宙船の3人乗りから6人乗りに大型化している。

「月や火星へ飛行できる能力をもつとされ、月へは最大4人を飛ばせるとしている。」

「帰還カプセルのうち、耐熱シールドなどを除く大部分は再使用ができ、運用コストの低減が図られる。」

「現時点で、2023年に無人での試験飛行を、2024年にISSへの無人の試験飛行、そして2025年に初の有人飛行を行うことが計画されている。」

まあ、スケジュールについては、話3年引きくらいに聞いておいた方がいいかも。

「ソユーズ・ロケットもまた、後継機となる「イルティーシュ(Irtysh)」の開発が進んでいる。」

「地球低軌道に約18t、静止トランスファー軌道に約5tの打ち上げ能力をもつ。」

ここにも、ウクライナの影がちらついている。

「ロケットの構成や性能などは、ウクライナが生産していた大型ロケット「ゼニート」に非常によく似ている。ゼニートのエンジンなどはロシア製だったものの、機体全体の生産はウクライナの企業が行っていたため、ウクライナ危機後、ロシアが自由に調達や運用することができなくなった。そこで、このゼニートをロシアの技術で造り直したようなつくりをしている。」

「初打ち上げは2022年の予定」

「将来的には、極東のアムール州に建設されたヴォストーチュヌィ宇宙基地からも打ち上げられるとしている。」

脱ウクライナというトレンドは、将来に渡って続きそうだ。

そして問題点!。

「ロケットも宇宙船も、ソ連時代から次世代機の計画が立ち上がったり、開発が行われたりしたが、なにひとつ実用化できず、こんにちに至っている。」

何しろ金がない。

先立つものがなければ、開発は進まないし、開発のペースが落ちたり途切れたりすれば、人材の育成や世代交代の面でも問題が発生する。

「近年もロケットや衛星の失敗が頻発している。現在もなお、ロシアの宇宙予算は少なく、各プロジェクトに遅れや中止が生じている。」

ああ、そういえば有人打ち上げでも問題起こしたしな。

ロシアの宇宙開発の未来が順風満帆でないことだけは確かなようだ。

「今回のソユーズ2ロケットによる初の有人飛行の成功は、見方を変えれば、いかに新型機の開発に失敗し続けてきたかということを示してもいる。」

逆に言えば、当分、ソユーズ2とソユーズMSで凌いで行けるということなのかもしれない。

枯れた技術に改良を加え、高い信頼性を維持しつつ、高機能化と高可用性を達成する。

しかし、どこかで抜本的に作り変える必要があるんだろうな。

月軌道や惑星軌道に有人宇宙船を進出させるためには、高い打ち上げ能力や高度な有人機能が必要になる。

もはや、ソユーズでは太刀打ちできないわけだ。

その実現が10年掛かろうとも、深宇宙にコミットするためには避けて通れないということになる。

まあいい。

とりあえずは、見かけは変わらずとも衣替えを果たしたソユーズ2の有人打ち上げ成功を祝おう。


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