変異種:J&Jウイルスベクターワクチンが南ア産変異種に有効かはビミョー:冷蔵庫保管の単回接種ワクチン登場
今日は、ワクチン絡みの話題が多い。
(J&J、米FDAに緊急許可申請 1回接種・冷蔵保管可のコロナワクチン)
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「米医薬品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は4日、傘下のヤンセン・バイオテック(Janssen Biotech)が開発中の新型コロナウイルスのワクチンについて、米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請したと発表した。」
「ワクチンの有効性は全体で66%で、重症化を予防する効果は85%だった。」
「有効性は米国では72%だったが、変異株が流行している南アフリカでは57%」
うーん、ビミョーだ・・・。
(Ad26.COV2.S)
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「-20°C(-4°F)で2年間の推定時間枠で安定した状態を保つことができます。ワクチンは、2〓8°C(36°F〓46°F)の温度の冷蔵庫で少なくとも3か月間保管できます。」
アストラゼネカのワクチンと同じく、アデノウイルスをベクターとしてスパイクタンパク遺伝子を送り込むタイプのワクチンだ。
注目すべきは、単回接種という点と、解凍後は冷蔵庫保管で3か月有効という点か。
ひょっとしたら、これがゲームチェンジャーになる可能性もあるが、気になるのは南アでの治験で冴えない成績を残している点だな。
WHOは、50パーセント以上ならOKとしているようだが、有体に行ってスレスレ合格な感じだ。
E484K変異を持つ南ア産変異種501Y.V2とは相性が悪い気がする(逆に相性がいいのかあ?:良くてどーする!)。
つーことは、同じE484K変異を持つブラジル産や、英国の新型変異種にも十分な効果が期待できないかもな。
南アフリカ共和国は、J&Jのワクチンをメインに調達しようとしている。
この結果は、あまり嬉しくないだろうな。
それでも、単回接種でそれなりの効果が得られる地域では、重宝されるに違いない。
冷蔵庫保管で3か月持てば、現場で混乱することもないだろう。
ベクターワクチンは、大規模な実績こそないけど、mRNAワクチンのように人類史上初という代物ではない。
(エボラワクチン:Ad26.ZEBOV / MVA-BN-Filo)
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「Ad26.ZEBOVとMVA-BN-Filoの2回投与レジメンは、ジョンソン・エンド・ジョンソンがヤンセンファーマ社で開発したものです。2020年7月に欧州連合で医療用として承認されました。」
まあ、このワクチンは、8週間(2か月)も間を空けてブースト(2回目の接種)しなければならないので、使い勝手は悪いみたいだけどな。
J&Jの新型コロナ用ワクチンがものになるかどうかは分からない。
変異を続けるウイルスに対抗して、改良を続けることができるかどうかがポイントかも知れない。
異なるワクチンを組み合わせて効果を高め合ったりすることも必要かもしれない。
1回接種としたのには、ワケがある。
ウイルスベクタータイプの場合、2回目の投与はベクターウイルス自身に対して人体の免疫反応が起きてしまい、ワクチンが付きにくいという特性があるからな(これを回避するために、1回目と2回目で異なるベクターウイルスを使用することもあるようです:<さらに追加>参照:上記のエボラワクチンも、同様の手法を使っているようです)。
アストラゼネカのへんてこなレジメン(1回目半量、2回目全量)や、感染予防効果の逆転現象(1回目67パーセント、2回目49.5パーセント)も、そのせいかもしれない(未確認)。
J&Jとヤンセンは、自社で薬籠中にしているベクターワクチンの技術で切り込んできた。
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