スペースコロニーと火星:目くそ鼻くその類
人類は多惑星種となるべきだなどと世迷言に明け暮れてる人々がいるかと思えば、工学的にも多大な問題を抱えるスペースコロニーに傾倒している人々もいる。
火星自体には、工学的な問題は少ないだろうから、実現可能性を考えた時にどちらが有利かは分からない(行くまでが大変という工学的問題はある)。
月にせよ火星にせよ、自然の天体を使用することの優位は、既にそれがそこにあるからという分かりやすい話から始まるという点にある。
どこぞの小惑星を引っ張って来るとか、そういう手間は必要ない。
月は、様々な問題をトレーニングするステップアップのステージとして手頃という考え方もある(浮沈子的には、とても手ごろとは思えないけどな)。
月で問題を解決して、火星にチャレンジする。
そういう段階的なアプローチが取れるというわけだ。
まあ、そのギャップもデカいけどな。
人類は、地球低軌道に於いて、半世紀に渡って軌道滞在の経験を重ね、ISSに限っても20年以上の時を刻んでいる(人類初の宇宙ステーションであるサリュート1号は、1971年4月の打ち上げ:ドッキングの失敗、続く帰還時の事故等により本格運用に至ることなく廃棄:そもそも、ISSの後ろ半分はサリュートと同じ設計で出来ている)。
軌道上(ラグランジュ点等を含む)のスペースコロニーは、スケールアップの刻み方は自在だ(金次第?)。
工学的な問題は山ほどあるが、それは人類が解決するしかない。
宇宙人に頼るわけにもいかんしな。
自然天体とは異なり、建造・維持に様々な問題があるけど、大きな宇宙船という意味では既に薬籠中にある。
百年、千年、万年の単位で考えれば、不可能であるというわけではないだろう。
継続の意思さえあれば、その技術力と経済力に応じた段階を刻むことができることが、最大のメリットだ。
(ブルーオリジンの巨大なニューグレンロケットは何年も遅れています。何が悪かったのか?)
[URL]
「彼は宇宙を探索することを真に信じており、人間が宇宙に工場を建設し、オニールシリンダーと呼ばれる人工世界を開発し、地球を保護するためのインフラストラクチャを構築することが彼の役割であるかのように感じています。」
人類の中では、下から数えた方が早いかも知れない浮沈子には、世界で最も裕福であり続ける人物の考えなど及びもつかない。
「ベゾスのビジョンは説得力があります。」
エリックバーガーには理解できても、大多数の人類には不可能だろうな。
2020年代にその役割を終えるISSには、民間で建造される新たな宇宙ステーションの構想があるらしい(未確認)。
月軌道に、一時滞在用の足場(便宜上、月軌道ステーションと呼んでますけど)は造るらしいけど、まあ、小さいからな。
天然天体は月までにして、後は人工天体を指向するというのは一つの見識だ。
火星移民などというベラボーな話に比べれば、月くらいまでの範囲でデカい宇宙船を浮かべて遊んでる方が健全かも知れない(コロニー落としもできるしな)。
ブルーオリジンでは、ニューシェパードからニューグレンにジャンプアップしようとして苦労しているようだが、その程度の飛躍でジタバタしているようではスペースコロニーに手は届くまい。
オニールシリンダーの直径は8km、長さは32kmとされている。
ISSは、せいぜい直径数m、長さも100mかそこいらだからな。
体積にして3千万倍以上ということになる(320^3で計算)。
ニューグレンへのジャンプアップなんて、せいぜい1000倍のオーダーに過ぎない(3万分の1以下・・・)。
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