〓SLS:それは米国の威信そのもの
2022-01-06


SLS:それは米国の威信そのもの


上がる上がると言われながら、まだ1mmも上がったことがない打ち上げロケット。

スペースローンチシステム(SLS)の初のフライトテスト(そう、まだ、宇宙空間では一度もテストしていない!)について、更なる延期が報道されている。

(夏の打ち上げシステム?〓
NASAの巨大なSLSロケットの打ち上げは2022年の夏に向けて滑ります
ロケットは2月中旬までにフロリダのハンガーから展開されます。)
[URL]

エリックバーガーは、今年の夏には上がると予想しているが(それは、昨年からの予想ですが)、更なるトラブルの種を内包している可能性を考えれば、年内くらいにしておいた方が無難ではないのか。

「ウェットドレスのリハーサル中に問題が発生する可能性があることを考えると、特に非常に多くの大規模で複雑なシステム間の相互作用により、SLSロケットとNASAの無人宇宙船アルテミス1号の月周回ミッションで2022年夏の打ち上げ日も可能です。」

コンポーネントとしては、再利用可能であったスペースシャトルの部品に手を加えて使い捨てにしただけの寄せ集めロケットだが、1970年代から半世紀掛けて進化し続けた電子の帝国の侵略を受け、システムはより複雑に、より高度にブラッシュアップされている。

人間が乗る乗物としては、最高度の複雑さと高度制御を必要としているに違いない(たぶん)。

それは、一つ一つを人間が目視して確認するというレベルを超え、自己管理プログラムを常時走らせて、異常を監視することになっているだろう(未確認)。

エンジンの燃焼制御のバグを発見したのだって、たぶんコンピューターのプログラムだ。

「宇宙機関は、エンジニアと技術者が巨大なロケットに動力を供給する4つのスペースシャトルのメインエンジンの1つから故障したエンジンコントローラーを正常に取り外した後、新しい日付を設定しました。エンジンコントローラーは基本的に、エンジンとロケットの間で通信するフライトコンピューターです。これは11月下旬に通信テストに失敗しました。」(詳細未確認)

そもそも、コンピューターのプログラムは、人間がシコシコ手作業で書いていく。

構造化とか、カプセル化、最近ではオブジェクト指向などと、名前はころころ変わっているけど、再使用性を高め、メンテナンスを楽にし、信頼性を向上させる仕掛けをいくら施しても、バグのないプログラムは存在しない。

人の作りしものの全てに内包される宿痾だ。

内包されたバグは、特定の条件下で表面化する。

通常の試験では分からないのだ。

だからこそ、NASAは膨大な手間をかけて試験する。

それは、SLSに限らない。

ハードウェアのド派手な爆発が目を引くスターシップ+スーパーヘビーにしても、全くの新規開発であるブリキ細工のハードウェアを動かすための電子細工に、SLSに匹敵する膨大な手間をかけているに違いないのだ。

電子の帝国の手助けを得なければ、50mのスターシップをネコ着地させることはできない。

まあ、どうでもいいんですが。

SLSのウェットドレスリハーサルは2月に行われるという。

その結果が上々であれば、いよいよ打ち上げに向けての総仕上げに掛かるが、そうでなければ数か月単位の遅れが生じる可能性がある。

場合によっては、年内の打ち上げが危ぶまれることにもなりかねない。

そもそも、ロッキードマーチンが主契約者となっているオリオン宇宙船については、海のものとも山のものとも知れない。

2014年に宇宙往還テスト(再突入テスト)を行っているけど、それはほぼドンガラな宇宙船を飛ばして見ましたという程度の話に過ぎない。

(オリオン (宇宙船))

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