米国大統領選挙:判断
(トランプ氏出馬資格争う道、最高裁が絶つ−「踏み込み過ぎ」と異論も)
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「国家の最高法規を擁護するという宣誓に違反し、反乱に関与した者が連邦政府の公職に就くことを憲法修正14条3項は禁じている。」
「憲法修正14条3項を各州が施行することはできないと全会一致で判断」
最高裁判事は9人。
全員が同じ判断となった。
が、ブルームバーグの記事をよく読むと、そこにはビミョーな陰影が付いている。
「重要な五つのポイントを次に挙げる。」
・出馬資格を争う道が絶たれる
これについては、全員が同じ判断だったようだ。
・資格剥奪の権限を持つのは議会だけ
「議会が3分の2の多数決で候補者の資格剥奪を解除する権限を持つ」としか規定がなく、これには異論があったようだ(次項参照)。
・踏み込み過ぎという別の意見も
3人のリベラル系判事は、(中略)候補者を失格とする権限を議会だけが持つかどうか、最高裁は判断すべきでなかったと別の意見を公表した。
・保守系とリベラル系が対立
リベラル系の判事らは、多数派の保守系判事らが、14条3項に基づく将来の異議申し立てからトランプ氏を守る判断を行ったと批判。
が、まあ、同意したんだからな。
文句を言っても始まらない。
・暴動に関与したかどうか判断せず
20年のバイデン大統領の勝利を議会が正式に認定するのを阻止しようと、暴徒化したトランプ氏の支持者らが連邦議会議事堂を襲撃したが、この日の同氏の行動や選挙結果を覆そうとする動きに関する判断にどの判事も踏み込まなかった。
これが最高裁の最大の問題だろうな。
逆に言えば、この判断(反乱に関与した)を示せば、議会が候補者とするかどうかを決めることになる。
「議会が3分の2の多数決で候補者の資格剥奪を解除する権限を持つ」わけで、浮沈子的には、その手続きを取るべきだったと思うんだがな。
@各州には連邦職員の就任を判断する権限はない(混乱回避:ちょっと正確じゃないけど:後述)。
A最高裁が、反乱に関与したかどうかの判断を示す。
B関与していないなら、候補者でOK!。
C関与したのなら、原則、候補者にはなれない(資格剥奪)。
D議会が、資格剥奪を解除すれば候補者になれる。
まあ、現実問題として、反乱関与という判断になれば、現在の議会構成からして3分の2以上で資格剥奪を解除されることはないから、実質的には候補者に離れなくなるだろう。
そういう、政治的影響を避けて、民意(合衆国大統領選挙)に委ねることにしたわけだ。
(米連邦最高裁 トランプ氏の立候補資格認める コロラド州予備選)
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「州には大統領や連邦政府の職員についてこの憲法の規定を行使する権限はない」(連邦最高裁)
「全米の少なくとも36の州で同様の訴えや申し立てが裁判所や州務長官などに対して行われていて、今回の最高裁の判断は、こうした州にとっても今後の対応の指針になる」(NYT)
「アメリカの公務員として憲法を支持する宣誓をしたあとに、アメリカに対する反乱に関与するなどした場合、文官、武官を問わず、国や州のいかなる職に就くこともできない」(合衆国憲法修正第14条3項)
米国の法律の法理は知らないが、南北戦争後の南軍の高官就任を阻む目的で作られた法律と聞いている。
また、まさか、大統領が、んな、反乱罪を犯すなどというのは想定の範囲外だろうから、適用に慎重になるのは当然だろう。
最後は、選挙で決着すればいいという仕掛けになっているということもある。
もちろん、大統領就任を阻むことは、今後も可能だ。
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