〓スターシップ:IFT−8:IFT−7のやり直しだな
2025-03-01


スターシップ:IFT−8:IFT−7のやり直しだな


(スペースX、先月の不運なスターシップ試験飛行のやり直しを準備)
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「エンジニアたちは、漏れはおそらく予測より数倍強い調和応答によって引き起こされたと結論付けた。これは宇宙船が宇宙へ上昇する間の振動が宇宙船の固有周波数と共鳴していたことを示唆している。これにより、地上試験からエンジニアが予想したレベルを超えて振動が激化したと考えられる。」

まあ、想定の範囲内の原因で、対策も十分されたんだろう。

「今月初め、SpaceX は次期 Starship 上段ロケットの長時間の静的燃焼を完了し、複数のエンジン推力レベルでハードウェアの変更をテストしました。SpaceX によると、静的燃焼の結果から、Starship の Raptor エンジンへの燃料供給ラインの変更、推進剤温度の調整、次のテスト飛行のための新しい動作推力が決定されました。」(今月:たぶん2月)

「スターシップの屋根裏部分の可燃性に対処するため、現在の世代の宇宙船には追加の通気口と窒素ガスを利用した新しいパージシステムが追加され、推進剤の漏れに対してより強固なエリアが作られる」(スペースX)

「スターシップの今後のアップグレードではラプター3エンジンが導入され、屋根裏の容積が縮小され、この容積に漏れる可能性のあるジョイントの大部分が排除される」(同上)

「連邦規制当局は、スペースXが主導するフライト7の失敗に関する調査を監督した。スペースXは、NASA、国家運輸安全委員会、米国宇宙軍も調査に参加」

「FAAは、スペースXが弾道飛行試験に必要な安全、環境、その他の認可要件をすべて満たしていると判定した」

打ち上げは、日本時間の火曜日(3月4日)に行われる模様だ。

新しい動翼(前方のみ?)や耐熱タイル、ペッツドアからのダミー衛星の射出など、IFT−7のやり直しになる。

それらは、全て重要なマイルストーンで、2段目の再使用というロケット工学上の金字塔を打ち立てることにも繋がる(ホットステージ対策の段間リングは、まだ使い捨てだけどな)。

浮沈子は、所要があってライブでは見られないけど、今度は「予定外の急速な分解(=炎上爆発木っ端微塵での墜落!)」にはならないだろう(残念・・・)。

まあ、どうでもいいんですが。

NASAの行く末や、SLSの今後の打ち上げが危うくなる中、スターシップの開発だけは順風満帆で続いている。

転んでもただでは起きず、失敗は成功のもとを具現している。

打ち上げロケットの常識を根底から覆すスターシップ。

浮沈子は当初、このロケットの成功に懐疑的だったが、現在は成功を確信している。

その技術的進展に喝采を送りたい。

が、まだまだ道のりは長いだろう。

年内に2段目の回収を成功させられれば上出来だし、ペッツドアからの本物の衛星(スターリンクX3)の射出に成功すれば大金星だ(これは意外に早いかも:当面は2段目は使い捨てで運用するだろうな)。

そのためには、軌道上再点火の安定性を確立する必要がある。

再使用に向けての様々な条件を確定し、改良を重ねることになる。

もちろん、今は使い捨てになっているホットステージ用段間リングの問題も解決しなければならない。

まともな運用に入るには、まだ数年を要するだろうけど、部屋の中のゾウが解き放たれれば、打ち上げロケット業界には激震が走るだろう。

実績を積んで有人飛行をものに出来れば、火星はともかく、少なくとも月世界旅行くらいは商業化できるかもしれない。

大陸間弾道旅客ロケットも飛ばせるかもな・・・。
[宇宙]

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