2016-11-14
絶対的危険と相対的安全
テクニカルダイビングのテキストを読み進めている(ちょっとずつ)。
脅し文句の羅列から、ガス量の計算になって、少しは精神的に冷静に読むことが出来る。
しかし、実は、このガス量の計算こそが最もシビアな話になる。
計算間違えて、あるいは想定外の消費があって携行したガス量を上回るような場合は、戻ることはできない。
そこで、予備量をあらかじめ計算して携行する。
まあ、計算間違えたら、予備もクソもないんだがな。
ちゃんと計算できたとして、安全率を掛けておく。
習慣的に1.5倍している。
3分の1ルールとして、言葉だけは知っているけど、なぜ3分の1かはテキストにも書いてない。
そういうもんだと理解するしかない。
それで十分安全かといわれれば、そんな保証はどこにもない。
絶対的な危険があるテクニカルダイビングに、相対的な安全率を適用する。
それが、テックの世界だ。
リスクは、軽減こそされ、無くなることはない。
避けることのできないリスクを負いながら、それを減らす対応を取り続ける。
ゼロには決してならない。
直接水面に浮上することが出来ない以上、対応する手段が尽きれば、永久的障害や死亡のリスクは常にある。
その、潜在するリスクは、受け入れるしかない。
それがいやなら、テクニカルダイビングはできない。
ガス欠は、その最たるもんだな。
そのガス管理の項目を読んでいる。
計算式と、換算表と、問題とにらめっこだ。
水面換算というのを勘違いしていたことに気づく(何を今さら・・・)。
RMVの計算(実際には、SACレートの計算)で、どうも正解が出ないと思った。
先が思いやられる。
しかし、ちゃんと計算できないと、ガスが足りなくなる。
足りなくなれば、予備を使う。
それでも、元を計算違いしていれば、それも使い切る。
ああっ・・・。
もっと、ちゃんと勉強していればよかったと思っても、水中では後の祭りだ。
後悔先に立たず。
まあ、どうでもいいんですが。
テクニカルダイビングでは、予備の器材を携行したりして、バックアップを常に考える。
しかし、自分の頭は一つしかないし、浮沈子の場合、これが最も信頼性に劣る器材だ。
予備の頭は、人様に頼るしかない。
しかし・・・。
それも、当てにならなかったらどーする?。
絶対的な危険に身を晒すのに、相対的な安全しか確保できないわけだ。
酸素のリスクについても、同じことが言える。
守るべき基準内にいるからといって、酸素中毒が起こらないという保証などはない。
それは、他のリスクとの兼ね合いで、どちらを取るかという選択になる。
中枢神経系の酸素中毒はシビアだから、減圧停止が多少伸びても保守的に運用し、水中に長くいるリスクをとることもある。
流れが速かったり、水温が低いなどのストレスが高い場合、別の選択があるかもしれない。
そんなもんは平気だという方は、耐えてください・・・。
やっぱ、ガス管理の項を読んでいても、脅し文句がチラチラ見えてしまう。
やっぱ、やめとこうかなあ・・・。
読めば読むほど味が出てくるテキストだ。
テック目標や、練習問題もこなして、ガス管理(その1)はおしまい。
朝の頭がしゃっきりしている時間帯でないと、この手のややっこしい項目は乗り切れない。
チームダイビング(その1)は、勢いでやってしまったが、これこそ、テクニカルダイビングの神髄かもしれない。
自立したダイバーが、協力し合いながら、勢いに流されることなく、目標を達成するわけだ。
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