根拠なき推定なのか:アフリカは若年層多いから感染爆発はない?
(アフリカで数千万人感染の恐れ WHO「流行数年続く」)
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集団免疫なんて念頭にないド素人集団のアフリカ経済委員会と違って、一応専門家集団の端くれだから、年内に12億人以上が感染するなどとは言わない。
「感染防止対策に失敗すれば、アフリカで今後、数千万人が感染する恐れがある」
「2900万〜4400万人がこの1年で感染する恐れがある」
「流行は数年間続く」
ちっと控えめに過ぎる気もするけど、まあ、妥当な線だな。
問題は次だ・・・。
「若年層が多いことなどを理由に、「世界の他の国のように指数関数的には感染は拡大しないだろう」」
アフリカの年齢階層別人口が典型的なピラミッド型であることは、このブログでも書いた(事例的に採り上げたのはナイジェリアだが、たぶん他も同じ傾向だろう:未確認)。
我が国でも、10代以下の感染者数自体は相対的に少ないと見られている(浮沈子は信じてないけどな)。
(日本国内の感染者9800人 NHKデータ分析)
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「男性:
・10歳未満 1.1%
・10代 1.8%」
「女性:
・10歳未満 1.4%
・10代 3.0%」
しかし、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染が、若年層で少ないというエビデンスはない。
新生児を含めた、一定規模以上の網羅的な抗体検査を行ったという話は聞かないからな(WHOアフリカ地域事務局は、独自に調査したのかも知れない)。
我々が見ているのは、感染者ではなく発症者だ。
ごく一部では、例えばダイヤモンドプリンセスなどのように、無症状の感染者を拾っているが、殆ど全ての検査は発症者に対して行われている。
だから、そもそも医療機関にアクセスしない軽症の感染者を含めて、このウイルスの全体的な感染状況を知ることはできていない。
もう、全世界で400万人が罹患しつつあるというのに。
やれやれ・・・。
じゃあ、逆に、アフリカでの指数関数的な感染爆発は起こるのか。
潜在する若年感染者が、急速に高齢者層に感染を広げて、億単位の発症者を生み出し、てんてこ舞いの事態になるのか。
そうはならない(たぶん)。
西アフリカのエボラの時に見たように、アフリカでは人は静かに死んでいく。
PCR検査にアクセスすることも、人工呼吸器のお世話になることもない。
そんなもんは、限られた都市部の病院だけにしかない。
風邪の症状が進行し、肺炎になり、呼吸困難を起こして死ぬ。
感染症だと分かっているから、埋葬等については注意深く行われるだろうが、再び、葬式経由で拡散する可能性もある(良い子は触らないでね!)。
爆発的な感染が起こらないように見えるのは、それを捕捉する仕組みがないからに過ぎない。
「今後4〜6週間で多くの国で感染のピークを迎えるという。」
地元のアフリカ連合の見立ても、おそらくは違っている。
ひょっとすると、アフリカは(そしてインドも)世界で最も早く自然感染による集団免疫を獲得する可能性がある。
それは、決して好ましいことではなく、憂うべきことなのだが。
「南ア政府の感染対策を担う専門家のサリム・アブドル・カリム氏は「国内の感染者は今後、数十万〜百万人単位に及ぶとの予測が出ている」と話す。」
そんな程度ではないだろう(南アフリカ共和国の人口は、約6千万人)。
ワクチン接種もままならない医療環境の中で、新型コロナは静かに蔓延していく。
それで何かが変わるわけではない。
社会的距離政策は、豊かな先進国だけが取り得る贅沢な処方箋だ。
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